政権の行方

各種世論調査によれば,日本では拉致に関する犠牲の大きさに衝撃を受けつつも,小泉訪朝はおおむね受け入れられているようである。首相への支持率も訪朝を期に,やや持ち直したとのこと。これで景気回復策で的を射たものが出ればこの政権は続くのだろうか。

今,次期首相に一番近いのは管氏だろう。理念先行で政策に具体性のない鳩山氏は,民主党内では保守系ということで支持議員数は多いが,さすがに国民は友愛だの政治家の心だの,耳に心地よくも具体策は怪しげなことばかり語る氏に期待していないようだ。

民主党の掲げる政策理念のかなりの部分は管氏が社会市民連合時代から組み立ててきたものであるだけに,代表戦での氏の政策もそれに沿ったもので無理がない。民主党は党内がバラバラだとよく言われる。しかし自民党の個々の派閥や議員の主張を聞いていると,それこそ改憲から護憲,郵政民営化論者から国営事業死守を叫ぶものまでいろいろで,論のひろがりの幅は民主党とそれほど変わりはない。今回の代表戦の4候補の主張の広がりと,先日の自民党党首選での政策の広がりを見れば,それは一目瞭然であろう。

依然一桁代の支持率の民主党だが,政官業癒着の構造が日本を長期停滞に陥らせているという事実は次第に知られて来ており,この構造の体現者である自民党を含む政権が改革をなし得ないことは小泉首相の奮闘結果の「無」成果が明らかに証明していよう。次の総選挙でまだ自民党政権が続くようなら,いよいよこの国は袋小路にはまり 込んで行くだろう。

まもなく次期首相を選ぶ投票が始まる。