20130810研究会覚え書き

6次産業化プランナーとして商品企画や販路開拓支援を行う上では,流通構造や,流通関係各社の事情,消費者の動向は抑えておきたい項目の一つ。本日は内側から見た某コンビニ事情をテーマに診断士仲間が集まる勉強会に出席し,日頃から疑問に思っていたことや仮説をその道の専門家に聞いてみたり,仲間とディスカッションしてきた。以下,そのディスカッションで出た話題を中心に覚え書き。

まず驚いたのが,「一般の主婦にとって食品売り場は苦痛を感じる場」ととらえられているということ。今晩の夕食,明日の朝食,お弁当のメニューを考えながら材料を選んでいくという作業が大変とのこと。それはそうかもしれない。工場でも,改善ネタを出し続ける,考え続けるのは大変だったなと対比してみた。

次に驚いたのが,「女性にとってはドラッグストアがもっとも楽しい買い物の場所」という話。自分が使えそうな色んな物があって楽しい場所とのこと。魚野が知っているドラッグストアはどちらかというとモノが大量に並んでいて,アップルストアやブランド直営店のような高級感がなく,そんなところが一番好きというのが一般的というのはいささかピンとこなかったが,そういうことらしい。

そして,直売所に買い物に行くという行為が日常化しているということ。確かに知識としては直売所が売上を伸ばしていると聞いてはいたが,スーパーでの生鮮よりも直売所の生鮮の方が信頼出来るからという話だ。売り方のうまさで言えばいまだ圧倒的多数の直売所がスーパーには負けていると感じるが,そんなものだろうか。

その上,年配の消費者が,直売所に買った物やそれを加工したものを近所で分けあっているという行動も広く見られるとか。都会でそんなコミュニティが生まれつつあるというのは,何か新しいものを感じさせる。

6次産業化で生み出された商品をどこで売るのかという話題もでた。大量供給できないこと,それゆえに価格も高くならざるを得ないことに鑑みれば,百貨店や高級スーパーにということになるが,パイはそれほど大きくはない。高級スーパーにいたっては,店舗数が減少しているとのこと。食のセレクトショップというカテゴリの店舗が必要だねという意見になるほどと納得した。旅館やホテルがその地域の特徴ある商品を売るべきという点もその通りと思うし,農家側も,そういったところへアプローチしてみるべき。

中小企業診断士の出身や指導先には様々な分野がある。例えば,今日の研究会に出席していたのはテーマ発表を行なってくださった某コンビニチェーン店舗責任者の他,某小売業売り場責任者・店舗責任者経験者,ドラッグストア出身,百貨店企画・経営管理系,化学系商社所属,広告代理店系,と,どちらかと言えば流通関係者が中心。メンバーの指導先も,商工会系の小規模事業者から数億円規模の事業者まで様々。魚野は上場食品メーカーの技術者,購買業務担当だったから,社内での経験の場は専門分野限定で,流通関係については知識はともかく経験はあまりなく,せいぜい新聞,雑誌や書籍などで学んだことを利用店舗の店頭で確認することくらいしかしていない。専門とはいえない異分野の研究会に参加すると,様々な発見がある。