20130820 プランナー業務の進め方(02) 商品企画の支援その2 〜商品と事業戦略〜

6次産業化プランナーの業務の進め方を紹介するシリーズ。以下は,魚野が個人的に採用している方法であり,他のプランナーとはかなり違いもあると思われるのでご承知おきください。

商品企画段階その2

商品企画の支援は,その場の雰囲気や事業者さんの企画進捗状況,事業者さんの流通に関する理解の内容などによって,支援の仕方はかなり変わってきます。

その1で書いたとおり,魚野は話をしながら,事業者さんや魚野が疑問に思ったこと,知らないなぁ,どうなっているのかなぁとつぶやいたことは,基本的にその場で関連資料を,その過程も含めてお見せしながら調べます。もちろん情報のありかがわかっている場合,例えばJAS規格でいう「トマトジュース」とはなにか,みたいな質問・疑問は,直接,情報源にあたりますが,基本は検索です。

さらに加えて,その商品の応用可能性や,事業者さんの強みや外部から見た(ブランド)イメージ,とるべき経営戦略とどれくらい合っているかなども考えてみます。

例えば,果物を栽培している農家さんと話し合っている,その果物の加工で多いのが,例えば果汁ペースト(糊くらいの粘土のある性状のもの。果汁や野菜汁を濃縮したものが多いが,破砕して冷蔵・冷凍したものもペーストと呼ばれるものがあるようです)と,果汁入り酢ドリンクだったとします。果汁入り酢ドリンクがブームになりかかっているとして,どちらを先に手がけることを考えるべきでしょうか。

どちらが応用範囲が広いかといえばペーストです。というのは,ペーストを原材料の一部として使うことで,アイスクリームやスープ,麺,ソース,惣菜などいろいろ使用先が考えられます。但し,いくらペーストが応用可能性が広いからといって,直売や顔の見える範囲での販売が主体となると,一般消費者が主なお客様になりますから,あまりペーストにこだわる必要はありません。むしろ,目の前で果汁を絞って出す,季節限定で販売してプレミアム感を出すことを考えるでしょう。そうすると,酢ドリンクもそういう見せ方で売る方法を検討していきましょうと提案します。