Mac用のOneDrive for Business

去年の1月に出ていたMac用のOneDrive for Business アプリのパブリックプレビュー版,バグだらけで使いものにならかったのだが,いつの間にかOneDrive.appに統合されていた。

くだんのパブリックプレビュー版,2015年の1月に出されていた。当時,ZDNet JapanがMac用OneDriveパブリックプレビュー版リリースの記事が出ている。

Office365を導入していたのと,容量がOneDriveに比べて大きく,自炊した書籍などの他,これまでの仕事関係のファイルなどを入れられる容量だったので,早速導入した。

ところが,である。パブリックプレビュー版といいながら,コンピュータのリソース占有量がべらぼうに大きく,ちょっとしたファイル名やパス(ディスク上のファイル位置を示す情報)がMSの想定範囲外だったというだけでアプリケーションが以上終了し,全く使い物にならなかった。パブリックプレビュー版はおろか,ベータ版にもとどかない,アルファ版の品質レベルだったのだ。

その後,何の改善ニュースも聞かないまま,アップデートを期待しつつ,今日までアプリを立ち上げてはいつの間にか異常終了という儀式をときどき行ってきたのだが,本日,Mac用アップストアで,サードパーティのアプリを発見。一瞬,誰もが困っていて,結局第三者が問題解決に乗り出したんだと喜んだが,レビューも少ないし,ネット上での評価もほとんどみかけない。

そこで検索をあらためてしてみると,いつの間にか,OneDrive.Appに統合されていたのだとか。但し,これまたベータ版扱いの様子。というのは,ターミナルで設定してやらないと,その肝心の統合された機能が表に出てこないようになっている。

ま,何にしても,多少は異常終了しにくくなったのではないかとちょっと期待しつつ,公式サイトでの説明通りに OS X 用の OneDrive.App で OneDrive for Business アカウントを有効にする方法を設定してみた。OneDriveのアイコンがメニューバーに2つ出てきて,一応,同期が始まったようである。さてどうなることやら。

自分のための覚書 @nifty WiMAX 2+とWX01の組み合わせによる速度制限とその対応

WiMAXのサービスをWiMAXに切り替えたが,最近,非常に速度が落ちるようになった。どうも,WiMAX 2+の通信量制限にひっかかるらしく,ひどい時は度々無線LANでの接続が切れるほか,継っても数kbpsというカップラー時代の速度しか出ないことがある。

ネットで調べると,WiMAX/MiMAX2+の切り替え機能がWX01にはそなわっていないとみられるとのことで,それまで通信量無制限で使っていた人からは,大幅な品質低下ということになる。

パソコン通信時代は文字情報中心だったので,数kbpsでもさほど問題を感じなかった(遅くて通信に時間がかかることには困った)が,さすがにこれだけ接続機器が増え,クラウドサービスも使うとなると,放っておくわけにも行けない。たまたまダウンロードしてあった詳細マニュアルをつらつら眺めてみると,省エネモードであれば,WiMAX 2+の通信に制限がかかるとある。というわけで,省エネモードに切り替えて様子見することにした。接続している各機器の通信速度は未だ数k〜数10kbps(ひょっとしたらBps?)だが,ネットブラウジングに支障ない速度になったのでよしとしよう。

Microsoft のアプリ・サービスの使い勝手に困ったこと二件

ここのところマイクロソフト社のアプリ・サービスで使い勝手が悪くて時間を取られてしまったことが二件続いているので,自分のための覚書として記しておく。ひとつめの問題は,出先で使っていた共用パソコンでうっかり Office 365 のサービスにサインインしてしまい,サインアウトの方法がわからなくてその共用パソコンから離れられなくなったこと,そしてもうひとつは,Mac 用の One Drive for Business アプリが初回の同期が終わらずにアプリが落ちまくるというものである。

問題の背景:当事務所の情報処理環境

当事業所は事務用品・環境にアップル製品を多用しているのだが,公文書に官公庁とのやりとりも多く,止むを得ず MS Office や Windows などを使用してきた。事務所となるアップルのモバイルパソコン 11’ Mac Book Air 2015 (香港で買い求めたもの),デスクトップがわりに使っている 13’ Mac Book Air 2013 (外部ディスプレイを二つ接続し,蓋を閉じた状態で使用)の両方に,Mac OS X と Mac 用の MS Office が入っており,そこに仮想ソフト VMWare Fusion をいれて,それぞれ Windows 7 と Windows 8 ,さらに Windows 用の MS Office が入っている。

進行中のプロジェクトの業務用ファイルはオンラインストレージサービスを利用している。最近はファイルをオンラインに置いておくクラウドサービスが普及してきており,当事務所も多様な環境でファイルを参照したり編集したりすることから,これまで Dropbox, Evernote, SugarSync, iCloud など様々なサービスを利用してみたが,Office ソフトで編集できるという点が決め手となり,現在は Microsoft 社の One Drive for Business というサービスを利用している。これは,Office 365 の一部という位置付けのサービスである(契約類型によっては使えない場合もある)。Office 365は,一見オフィスソフトのサブスクリプションサービスのような体裁だが,要はクラウド・グループウェア・オフィスアプリというちょっとわかりにくいが,最新のオフィスソフトが複数台のパソコン・スマホ・タブレットなどで使えるという贅沢なサービスだ。また,One Drive にファイルが存在していると,オンラインサービスの Excel や Word で簡単に編集・印刷ができる。

発生した問題

その1 Office 365 のサインアウト問題

講義のため大学には週に一回出勤するが,そこではBYOD不採用,すなわち個人のパソコンなどは大学のネットワークには接続できず,そのかわり共用パソコンが使え,Officeも使えるようになっている。自宅で作業していた講義用資料の校正・印刷を行おうとすると,今まではUSBファイルで持ち運んだり,自分宛のメールに添付してそのファイルをダウンロードしたりする必要があったが,今回,何の気なしにブラウザでオンライン編集をしようとした。しかし,個人情報が含まれているため,こうしたファイルにはパスワードをかけてある。オンライン版 Excel や Word はパスワードがかかっているファイルは編集できず,パソコンにインストールされているアプリ版の Word や Excel で編集しろと促されたので,指示通りにした。このとき,Office 365 にサインインしてしまう。

ひととおり,編集・印刷がおわり,はて,このままログアウトすればサインアウトも自動でされるのかと,ふと不安になり,実験してみると,サインアウトされない。つまり,共用パソコンなのに個人名や個人ファイルが見えている状態になっているわけだ。Excel や Word をたちあげると,ファイルを開けるためのウインドウが開き,そこにはサインインした魚野のアカウントや直前まで編集していたファイルが見えている。ところがそのウインドウにはサインアウトするボタンもメニューもない。ウインドウを閉じるとアプリも閉じてしまうため,たちあげると,またアカウント・ファイルが見える。処置無しである。

その2 OneDrive for Business の初期設定が終わらない問題

OS X 用は β版ということでやむを得ない面はあるかもしれないが,OneDrive for Business アプリが異常に不安定である。大量のファイルを含んだフォルダー(ディレクトリ)を同期させようとすると,エラーを大量に吐き,しまいにアプリが落ちてしまう。ビジネス向けサービスとして喧伝されているわりには,堅牢性に欠ける。エラーを吐くのはやむを得ないとしても,それでアプリが落ちてしまうのはいただけない。セキュリティ上の重大なリスクともなりうる。

問題の所在とその解決方法

その1 Office 365 のサインアウト問題

わかってしまえばなんてことはないだが,Office ソフトでのサインアウトは,アプリがファイルを編集しているメインウインドウのアカウントアイコンからおこなう。先ほどのファイルをあけるためのウインドウを閉じるのではなく,隠す(右上の棒状のメニューでウインドウをたたむ)ことをすれば,メインウインドウがあらわれるので,そこで操作すれば良い。

根本的問題は,最初に表示される画面にサインアウトのメニューなどがないことだ。それを見つけるにはファイルを開けるためのウインドウを隠すという操作をしなければならないが,そういったことを思いつくためのとっかかり,ヒントがないため,おそらく一般ユーザーはほとんどたどりつけないだろう。

なぜ Microsoft はこんなヘンテコなインターフェースを考えつくのだろうか。

その2 OneDrive for Business の初期設定が終わらない問題

エラーの原因のひとつは,ファイル名の命名規則がWindows のファイル・ディレクトリ命名規則を前提にしていることだった。例えば全角のコロンが含まれているだけでエラーを発するようだ。Macやスマホなども含んだ多様な環境での使用を前提にしているにもかかわらず,である。また,一部の不可視ファイル(ドットで始まるファイルは,OS X のような Unix ベースの OS では通常は見えにくいようにしてある)でかっこが使われていたりするのもエラー原因となるようだ。これは根本原因を思いつかない。

ともかく,エラーの出ないファイル・フォルダのみ同期させ,そのあと,すこしづつ追加してみて,エラーが出たら原因を推測して試行錯誤してみる,エラーが消えれば追加続行,という地道な作業を続けるしかなさそうである。

結語

Office 365 は契約類型によってはオンライン会議システムやファイル同時編集,ひとりあたり1TBものオンラインストレージ,きめ細かなアクセス制御など,便利な機能が豊富で,最新の MS Office が複数台のパソコン・スマホ・タブレットで使え,なおかつひとりあたり月額千円強と,かなりコストパフォーマンスのよい中小企業向け,士業向けのサービスだが,まだまだ使い勝手が洗練されていない。スマホかスマートウオッチが鍵となり,席に着くと簡単に情報にアクセスでき,席を離れるとアクセスできなくなるというような仕組みが,目で見えるかたちで提供されないと,不安全・不安となる。MSのみならず,アップルやグーグル,フェイスブックが今後どのような解決方法を提案してくるか,興味深い。

組織開発というテーマと最近の動向

昨日の診断士の研究会で,「組織開発」という述語が話題になった。Organization Development, 組織の生産性を高めたるための理論・技術ということになろうか。

90年台はじめ,食品会社の会社員として小集団活動の事務局を担当していた頃に組織開発とはなにか,何をすることか,などを調べてみたが,英語論文の文献くらいしかみあたらず,一生懸命翻訳しながら学んだ。当時は心理学を学んだこともなかったので,介入ということばが示す具体的な内容がわからず,途方に暮れたものだ。

最近の動向はどうなっているだろうと,アマゾンで「組織開発」というキーワードで検索した結果,そこそこの冊数が出てきた。書籍が増えてきた背景には,日本に限らず,民族的多文化化,職業的多文化化が進み,いずれの先進国のみならず,準先進国でも,個人への依存や一様性を前提とした組織運営の限界を迎える組織が多くなっていることが影響しているのであろう。また,組織開発を専門テーマとするコミュニティもあるようだ。

これまでの組織開発では,固定的な組織構成,中期に渡る同一テーマの追求が前提になっていたようだが,ITC革命・物流革命による社会変化の速さに対応するため,多くの地域や組織でチーム制,メーカーズ運動,起業推進といった新しい動きが見られる。こうした離合集散を繰り返すような組織では,もっと流動性に対応できる理論が求められるとのことで,古典的には「学習する組織」という本が,こうした変化に対応する組織づくりという点では早期の出版物であろう。

最近では,チーミングという概念に焦点を当てた「チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ 」という本も出されている。この本では,ずばり変化するチームに焦点を当て,高パフォーマンスを発揮するためのチームリーダー・チームメンバーが身に付けるべきスキルや,その取得方法についてが述べられている。

ご参考まで。

20150403 研究会に出席

本日は診断士仲間の研究会,グローバル・ビジネス研究会(旧国際ビジネス研究会)に出席してきました。昨年度から今年度にかけてのテーマは海外でのサービス業展開の支援。関係者である専門家の方2名,診断士仲間3名の計5名でビジネスアイディアについて,活発な議論が2時間繰り広げられました。

本日の段階ではこれまでの数回の議論を踏まえて固まってきた簡単なビジネスモデルについて,活用できる経営資源をどう利用するかというアイディア出しが行われました。参加した5名の背景がそれぞれかなり違うことから,それぞれの経験を踏まえた鋭い指摘がいくつも出され,議論が急速に深まり,事業の実現の見通しに対する印象も,ずいぶん良くなりました。また,参加者からも,たいへんよい議論だったとの感想が多くありました。

次回は連休明けの5月8日の開催を予定しています。

香港の商標登録制度情報

ーとある事業者さんに提供した情報を記録として掲載しておく。

⚫︎⚫︎農園様

お世話になります、魚野です。表題の件、以下お知らせいたします。ちなみに愛知県の支援策は締め切りが6月末と差し迫っておりますが、あいにく魚野は水曜日から台湾出張のため、仮に申請されるとすると
一部のみのお手伝いになってしまいます。ご了承ください。

◼︎香港の商標登録制度概要
一般社団法人発明推進協会 APIC外国相談室が、特許庁からの委託を受けて調査した資料が掲載されている。
http://iprsupport-jpo.go.jp/
http://iprsupport-jpo.go.jp/miniguide/pdf2/HongKong.pdf

JETROサイト内にある、香港の知的財産制度を解説するページに掲載されている模倣対策マニュアル2014参照
http://www.jetro.go.jp/world/asia/hk/ip/
http://www.jetro.go.jp/world/asia/hk/ip/pdf/2004_hk.pdf
概ねイギリスの制度に則っている。また、日本語の文字を登録することもできる。

◼︎実際に登録されている商標の検索方法
香港政府の知的産権署のサイト内に、英文または中国語での検索サイトがある。
http://www.ipd.gov.hk/sc/electronic_services.htm

◼︎商標登録に必要な費用
上記の概要ファイル内に、費用一覧が掲載されている(ただし、非居住者の出願には弁護士など代理人をたて、手続きを行うが、その費用相場については例えば以下のような事業者が掲載していた(単に検索して見つけたのみであり、推奨しているわけではない。JETROや後述のあいち機構の担当者に相談した方がよい)
http://www.by-cpa.com/jp/html/news/200811/73.html

◼︎愛知県の支援策
愛知県が中小企業を対象に、外国への知財出願支援を行っている。
http://www.aibsc.jp/tabid/314/Default.aspx
また、ウィンクあいちに入居するJETROに、農産物輸出相談窓口あり。
http://www.aibsc.jp/tabid/314/Default.aspx

以上

20130926 支援成果をあげるための支援側のポイント

先日,関わっている団体がとある審査を受ける際,ボランティアとして申請書の作成・提出と審査の準備支援を行った。この時の気づきをメモしておく。なお,この事例では,魚野は審査員に直接相対するのではなく,審査を受ける人達を側面支援していた。また,この審査の結果は,来月に公表されることになっており,現時点では最終審査を突破できたか否かは承知していない。

1.グループの特徴,強みと弱み

まずもって,今回支援させていただいたグループは,2つの点で特徴的だった。ひとつは結束の高さ,そしてもう一つは水平的な人間関係の組織だったということだ。審査を受けるという話が持ち上がってから実際の申請書作成・提出まで数週間と時間がないところ,連日のようにオンライン・オフラインの会議を重ね,見事締切に滑り込んだ。こういうストレスの多い状況で,リーダー格,事務方,将来の実行役が冗談を交わしながら,時には口角泡を飛ばしながら,議論し,気付きを得て,構想をまとめていった。そこには,怒鳴り合ったり,決めつけといった企業内やたて型組織にありがちなコミュニケーションは一切なかった。

事前準備で不足していたのは,経営者の視点がやや弱いという点だった。関係者は中小企業の経営者だったり,個人事業主だったり,NPO団体の責任者だったりする。しかし,新規事業を始めるための融資や出資を受ける際のような外部への説得は未経験の領域でもあった。

一方で,地域をなんとかしなければという思いは強く,話し始めると1時間でも二時間でも話し合っているというメンバーでも合った。魚野は終電の都合で暇乞いをするのが常だが,車で集まっているメンバーは日付が変わっても話が続いていることがしばしばだったという。また,オンラインでの話し合いが連夜のようにあり,まずは思いの共有がはかられた。

そんなこともあり,最初に準備された書面はメンバーの思いが全面に出過ぎ,自分が知っていることと相手が知っていそうなことが意識されておらず,勢いはあるが内容が薄いものとなってしまった。問題にどっぷりと浸かっていると,危機感がつのるが,その危機感が周囲に伝わらず,もどかしく思うことでますます相手に意図が伝わらないということがある。

そこで,支援者としては環境分析や事業の対象となる市場の現況などについて質問をなげかけ,現状はどうなのか,どうしたらデータが入手できるかなどについて現状を客観的に伝えていくためのポイントを見つける手助けを行っていった。例えば,古い事業者さんの事務所などには,たいてい,その地域のことを調べた紙誌がおいてある。それをペラペラとめくると,過去,その地域の産業がどうだった,文化がどうだったかの記述が見つかる。手近にそんなデータが眠っていたことに驚く事業者さんも多い。

2.申請書のブラッシュアップ

上述の強み,弱み,事業者さんの特徴をヒアリングや支援活動でつかみ,事業者さんが作成してきた申請書案初稿をもとに,ブラッシュアップに入った。

多くの事業者さん,団体がそうだが,書き込む欄に,こういうことを書きこんでくださいといった内容の指定がある。だが,最初の欄から順番に書き込んでいくと,その欄に書くべきでなく別の欄で聞かれていることが書かれていたり,書かなければいけないことが,どこにも書かれていなかったりする。

魚野の場合,初稿が準備された場合はそこに書いてあることを,書き込み指定の欄との整合性をとることから始める。書き込みが不足しているなと感じても,だいたい別の欄に書き込んであることが多い。そうした混乱が起こる原因というか,混乱している要素は,時間軸(過去と現在の記述の入り混じり),ロジック(事実と意見の入り混じり)の2つであり,抜けているのは具体的な傍証や,ロジックの鎖の中間の輪であったりする。これを,ヒアリングをかけ,「なぜこう言えるんですか?」「これは●●のことですか?」と順々に確認していく。

3.口頭試問に対する準備

事前審査の段階で,審査側・審査の事務担当側からは鋭い質問がとんできたが,やはり事業の継続性や,手段の妥当性などの質問が多かった。社会的事業の支援を得るためには,単に困っていることを訴えるだけでなく,どうすれば解決できると考えているのか,その方法が成立するのかといったことについて説明が求められる時代である。そこで,口頭試問の準備段階で,例えば,需要がありそうだということだけでなく,統計の数字をひっぱってきたり,関係者の要望を肩書・所属つきで申請書に加えることを考えても良いとアドバイスした。

特に,今回審査を受けたのは,社会に貢献する団体への支援の審査という位置づけであり,事前に競合として予想されたのは,子育てや高齢化対策,環境対策といった,これまでどちらかといえば福祉系,資金の交付という形での支援を受けるジャンルの団体が多いのではないかということであった。一方で,魚野が今回支援した団体は,中山間地域の高齢化対策という面はあるものの,事業を起こすことで若者を地域に定着させようという内容であったため,かなり差異化をはかれるとみられた。

そこで,事業を継続できる体制や,需要がたしかにあること,投資を最小限に絞り,事業継続をはかりやすい条件を整えたことなどを,個別具体的なデータをあげながらアピールするようアドバイスした。

 4.まとめに代えて

普段は6次産業化プランナーとして事業者さんの代理人のような立場で審査を受ける側だ。今のところ,制度が始まって以来,担当10案件全案件認定という戦績だが,いくつか危うい橋を渡った審査もあった。今回,側面支援という立ち位置で気付かされたのは,審査を受ける人・団体の,その取り組みや審査突破に対する熱意,そして準備が大切という当たり前の結論だった。加えて,できるだけ複数の関係者が準備にあたったほうが,様々な視点で検討できて,懸念事項を潰すことができるという点であった。

支援側としては,審査の際のライバルや,同時に審査を受ける他の案件との違いを知ることができるなら,それを知っておくべきだとも思う。内容はおそらくいずれも意義深く,度量も同じようにたくさん投じられてきたものと思う。そして,最後に狭き門を突破できるかは,実は細かい努力を最後まであきらめずにやっているか否かにかかっている。

結局,診断士,プランナー業務での成果をあげ続けるためには,いかにそうした事業者さんたちの前向きの気持ちを引き出し,継続してもらえるよう仕向けるかにかかっている。

仕事のメインマシンとして使うMacBook Air その2

前回同じテーマの記事を投稿してから約二年経過したが,いまだにMacBook Airをメインマシンとして使うというキーワードでこのサイトにたどり着く人達がいる。そこで,現況やその後の環境変化への対応内容を記述しておく。

魚野はいわゆるノマドワーカー,つまり,自宅だけでなく,出先のカフェや図書館,学校などを仕事場としている自由業の社会人である。中小企業診断士6次産業化プランナーという資格,あるいは大学の非常勤講師という肩書きで,主に製造業・農林水産業者さんの支援や,学生の啓発という仕事を行なっている。

業務上,事業者さんとの打ち合わせをもとに調べもの,物書き,役所や他の事業者さんとの調整をすることが多いが,こうした業務は,インターネット接続環境の他,オフィス系のソフトを利用できることがどうしても必要だ。

現状,業務のために構築してあるIT環境は以下のとおり:

  • メインマシン…MacBook Air (11-inchi Mid 2011/4GB/128GB) + Mac OS X 10.8.3
  • クラウド…
    • SugarSync…デスクトップフォルダを設定することで進行中のプロジェクトのフォルダを保管。パソコンを持っていなくても,iPhoneさえあれば仕事のファイルを見ることが出来る。無料で使える容量がDropboxよりも多いので,現在はこちら。
    • DropBox…ホーム内のDropBoxフォルダを共有することで個人的なデータを保管。1Password, TextExpander などソフトによってはDropbox経由でデータを一元管理してくれる。
    • Google Drive…スキャナで取り込んだ書籍など参考資料を保管。自動でpdfファイルなどの文字認識をし,検索可能にしてくれる。MBA内蔵SSDではディスク容量が足りないので,外部HDDに保管し,外出時は持ち歩く。自宅Windows環境では大容量HDDがつながっているので,HDD内に。
    • Evernote…新聞記事,名刺を保管。こちらも自動でpdfファイルなどで文字認識をして検索可能にしてくれる。名刺はいちいち住所や名前,所属を入力しなくても,ほぼ100%検索できる。
    • GMail…いくつかあるメールアカウントは自動転送でgmailに集中。また,カレンダーもGoogleカレンダーにて一括管理。
    • RSSリーダー…Feedly(Google Readerがサービスを停止するとのことなので,暫定的に移行)。
    • xmarks…業務上必要なサイトのアドレスは,ブラウザの種類やOSの違いを乗り越えられるxmarksにて管理。
    • 1Password…パスワード関係。dropboxで一元管理。
  • Windows環境…
    • MBA内…VMware Fusion(Windows7), CrossOver
    • 自宅…HP製の中古機 (Windows 7)
  • 業務用ソフト…
    • Keynote…発表用資料はPowerPointを使わずもっぱらKeynoteで作成,使用する
    • Microsoft Office (Mac OS X用,Windows用)
    • LibreOffice
  • インターネット回線
    • 自宅…WiMAX(固定電話をそろそろ廃止したいので)
    • 外出時…テザリング
  • 電子書籍リーダー
    • Kindle…Kindle PWの他,iPhone, MBAにもKindleソフトを入れてある。いわゆる電子書籍のほか,参加する研究会のテキスト自炊本などを放り込んである。
  • 主催する研究会などの活動をささえる環境
    • 基本はFacebook
    • 一部,ChatWorks, サイボウズLive

前回から異なる点といえば,インターネット回線の種類が若干変更されたことと,電子書籍リーダーが増えたこと。

MBAをメインマシンとして使う要諦は,クラウドを使うことと,資料的データ・プロジェクトデータを分けて保管管理すること,そして大口のUSBハブ。魚野の場合,書籍自炊資料や大量に保管してある音源(語学関連のラジオ講座や哲学・経営学・食関係の放送大学の講義),写真はモバイルハードディスクに入れてあり,自宅ではUSBケーブルを1本MBAにつなぐことで,外部ディスプレイ,キーボード,マウス,くだんのモバイルハードディスク,バックアップ用ディスク,ドキュメントスキャナ,プリンタなどが一発でつながる。

生ハムを避けることが妊婦のトキソプラズマ症予防となるのか?

妊婦は生ハムを食べるべきではないという意見をちらほら見かけます。ざっと調べてみましたが,結論としては適切に製造・流通されている名のある生ハムなら,大丈夫ではないかと思っています。

トキソプラズマ症は,トキソプラズマという微生物が原因となる病気で,妊婦さんがこれに感染すると胎児に深刻な影響を与えるとのことで,その予防は重要です。各地の保健所などの情報を見ると,トキソプラズマ症の感染予防には,生肉は必ず十分加熱することという予防方法がたいてい掲載されています。加えて,ネット上では生ハムも避けるべきという意見をよく目にします。加熱していない生肉や,十分加熱されていない生焼けの肉が危険というメッセージが独り歩きして,「生」がついている生ハムまで避けるべき,あるいは加熱されていないのだから生ハムは危険という意見につながっているようです。

ところで,イタリア料理などで出てくる生ハムは生肉なのでしょうか。生ハムは「生」という名がつくくらいですので,確かに加熱はしてありませんね。ただ,塩漬け,熟成加工してあり,高塩分,低水分活性という状態になっています。このような状態だと長期保管がきくので,かつて冷蔵技術がなかった頃の遠洋航海などにも使われました。スチーブンソンの「宝島」などで出てきましたね。もちろん,生ハムといってもいろいろな塩分濃度や水分活性状態があるので,少しでも塩漬け・熟成してあればなんでもかでも大丈夫だというわけではありませんが。

生ハムの本場の一つ,イタリアの生ハム関係者であるジュゼッペ・コミ博士は,生ハム由来のトキソプラズマ感染の可能性に関しては,適切に製造・流通されていれば安全という見解を出しています。この見解が掲載されたページには,市販の生ハムを調査した結果などを記した論文が論拠として紹介されています(上記リンク先に論文の書誌情報記載あり)。コミ博士は,肉製品は2ヶ月以上熟成していあれば安全であり,Prosciutto di San Daniele, Prosciutto di Parma, Prosciutto di Veneto Berico Euganeo のようなイタリアの生ハムはいずれも13ヶ月以上熟成してあるから大丈夫だと述べています。

ただ,アメリカでは自家製の生ハムなどが感染源だった例があるという研究報告はみつけました。

残念ながら魚野は学術論文を気軽に入手できる立場にはないので(どこかの大学や研究機関などに常勤で所属していればなんとかなるのですが…),いずれの研究報告も原文にあたることができません。

それ故,市販の生ハムが安全と主張されていること,手製の生ハムが感染源となった例があるということからの推測ですが,おそらくは一定以上の塩分濃度をそなえ,かつ一定の熟成期間を経ている生ハムは,トキソプラズマ症の感染経路とはならず,それを満たさない生ハムはなりうるということではないかと思います。これは,高塩分濃度,低水分活性では多くの微生物は増殖しにくい,あるいは死滅していくという食品衛生の概括的な知識とも合致しています(もちろん,例外はありますが,トキソプラズマがその例外にあたるかどうかは,きちんと文献を調べてみないとわかりません。もし生ハム関係の仕事をいただくなどして調べる機会があれば,あたってみます)。

以上のことを魚野なりに要約すれば,妊婦さんは熟成期間が短いなんちゃって生ハムはやはり避けたほうがいいということです。万一感染した場合の結果が重篤なので。もちろん,リスクをとことん負いたくなければ,名のある生ハムをも避けるということになりましょうか。ですが,信頼出来る作り手・お店のものなら大丈夫じゃないでしょうか(推測まじりですから説得力が弱いですね。こういう研究結果があるなといった紹介や,きっちりした論拠のある反論があれば歓迎します)。

それと,猫がトキソプラズマの宿主となっての感染例が多いとのことなので,猫経由の感染(猫の世話や土・庭いじりで猫の排泄物を知らずにうっかり触ってしまうこと,猫の顔に触れることも含めて)に気をつけるのが,大事そうです。

第二代農民工とは

昨日参加した中国ビジネス研究会で出てきた単語について,少し調べてみた。

百度百科の定義

百度百科の「第二代農民工」の定義は以下のとおり

いわゆる「第二代農民工」は,80年代生まれ(80后),90年代生まれ(90后)の農村労働者を指し,「新生代農民工」とも呼ばれる。彼らはそれ以前の労働者と違い,教育文化程度はやや高く,学校卒業後すぐに都市部で働くため,農業や農村,農民(の実情)などについては詳しくない。また,彼らは都会に溶けこむことを望んでおり,田代の都市文明を謳歌している。

百度百科では,以下,第二代農民工の特性の概述や,名称由来,誕生背景,直面する社会問題,第一代農民工との区別,差別と都市への溶け込み,心境,教育と発展,社会調査,評価,第二代農民工を新生代市民に変えていくためにと続く(2013年4月23日閲覧)。ちなみに中国で出版されている書籍では,「中国第二代農民工研究」という研究書が一冊,「新生代農民工」という用語を用いた研究書が複数出版されている。

「第二代農民工」に関する魚野メモ

中国では,「第二代農民工」とよばれる農村出身の若い労働者をいかに市民化するかが社会問題となっている。彼らは農村部で学校卒業と同時に都市部に働きに来ており,自分たちは農民ではないという意識を持っている。しかし,都市戸籍を持っておらず,社会保障などの福祉面で差別的待遇を受けているのみならず,就職や労働報酬・福利などの社会生活面,結婚などの民生面でも差別を受けやすい。また,故郷に戻ったとしても,農村生活に馴染めない,就労機会が少ないといった問題がある。

現実的な問題としては,上述のような差別がある上に彼らの生活が安定・向上しないうえ,集団生活が多いことから,個人の不満が非社会的な集団行動に結びつきやすいという懸念がある。実際,尖閣問題などで反日デモなどが発生する際,デモ参加者が暴力行為に走りやすいのはこうした不満を持つ農村出身の参加者らの日常の鬱憤晴らし行為の一種ではないかと思える。

この「第二代農民工」という名称が初めて使われたのは,前出の百度百科によれば,中国国務院が2009年12月31日に発布した「关于加大统筹城乡发展力度 进一步夯实农业农村发展基础的若干意见(都市部と農村部の発展度合いの統合を高め,農業および農村の発展の基礎を一層高めることに関する若干の意見)」とのことである(「首次使用了“第二代农民工”的提法」としている)が,上記の「若干の意見」にはそのような表現は見当たらない。ともかく内容はまさにこの第二代農民工の問題を扱った文章であることから,おそらく百度百科の表現が間違っているのであろう。

いずれにせよ,中国政府は2009年にはすでに「第二代農民工」問題の原因,課題を認識していたことになろう。農村,農業,農民の「三農問題」については2000年ころから広く認識され,数々の対策がとられたようだが,都市と農村の経済格差は依然として解決できておらず,「第二代農民工」問題につながっているのだろう。

「第二代農民工」問題は中国の内政問題ではあるのだが,依然として「反日有理(反日ならば何をしても良い)」を通じて日本とつながる問題でもある。ちなみに,前出の百度百科に掲載されている「第二代農民工」の項目にはいくつか写真が掲載されているが,10代,20代の元気で明るいお嬢さんたちの写真も使われており,暴力などの反社会的行為を想像しにくい印象にしているが,現実に目を向ける報道や文学がもっと市民権を得ること,人民の市民化が,進むことを願ってやまない。