魚野スタイル

愛知県6次産業化プランナーの魚野です。師走も12日となり,ここ2,3日は早くもよいお年をなぞと挨拶しはじめました。今までとは少し違うスタイルで,事務所ブログを更新しています。

総合化事業(6次産業化)法認定支援

6 次産業化プランナーの主な業務は総合化事業の法認定(いわゆる6次産業化の認定)と,その実施の支援の仕事です。2011年の東海農政局管内では年3回の 審査の機会がありますが,プランナーの業務が動き出したのは夏以降でした。今は担当事業者さんの数がどんどん増えており,すでに認定を取られた6事業者さ ん,本格的に法認定を目指す事業者さん数社を担当しています。

認定をめざす事業者さんとの関わり

認定を目指す事業者さん とは,特に申請書の締め切り前の1ヶ月くらいは週に1回以上おじゃまし,経営計画づくりのサポートをするわけですが,この時活躍するのがプロジェクター。 目の前で申請書や経営計画の数値を変えてみたりでき,話が早いだけでなく,その場で出た疑問をネット上で過程をお見せしながら調べるので,以降,事業者さ んがその検索方法や情報元がどこかといったことを活用できるというメリットがあります。画面を見ながら打ち合わせをするので,脱線しにくいという特長も。

認定を取られた事業者さんへの対応

月 に1度くらいの訪問を目標に活動していますが,それくらいでは事業推進をサポートするのに不安を感じることもありますので,魚野の場合は事業者さんに facebookの活用をお勧めし,日常の活動の把握や,困りごとの迅速な相談にのるなどの工夫をしています。今後,どんどん担当事業者さんの数が増えて いく一方で,手当ても自分自身の時間も(そしてもちろん事業者さんの時間も)限りがありますから,こんな方法を使っています。

6次産業化と農業改良資金

先日,農業改良資金の制度内容,利用条件,実態等についてヒアリングするため,日本政策金融公庫名古屋支店さんを訪問,愛知県での状況を伺ってきました。

  • 6次化認定業者,農商工等連携認定業者の他に,認定農業者も申請できる。
  • 現時点では6次化事業者の愛知県内の利用実績はなし(認定農業者の利用は多い)。
  • また,農商工等連携の中小企業者の愛知県内での利用実績もいまのところない。
  • 6次化認定後,愛知県知事から改良措置の認定を受ける必要あり。実際の窓口は普及課(普及センター)。「新たな」取組か否かの判定がある。標準的なリードタイムは2週間(問題ない場合)。実際は普及員が問題ないものを持ち込むため,普及員などに事前相談をしたほうがよい。
  • 公庫としても,金融審査がある。決算書を三期分くらい見る。チェック項目は債務超過,大幅な赤字,キャッシュフロー不足(減価償却していない)など。
  • 実際の利用には,窓口となる農協または事業者のメインバンク経由がよい。県下の信金,地銀は概ね該当。信組は一部。早めの相談を。

以上の内容は公庫さんの正式見解ではなく,あくまで魚野がヒアリングした際にとったメモを元にした個人的な記録です。融資を希望される場合はメインバンクなどにご相談し,条件等もご自身でご確認ください。

どんな事業者が海外ビジネスを考えるべきか(1)〜既存事業で利益は出ていますか〜

前回の投稿からずいぶん日が経ってしまったが,海外ビジネスを考えはじめたときに考えるべき最初のテーマとして,どんな条件を備えた事業者が海外ビジネスを考えるべきかを考えてみよう。

■事業の状況…海外と国内,どちらをねらう?

海外ビジネスを考えるべきかどうかを考える前に,まず国内ビジネス,あるいは既存の事業で,ある程度の利益を確保できているかを検討してみるべきだ。海外に出張したり,商談したりするだけでも費用は国内の何倍もかかる覚悟が必要である。また,そもそも既存の事業がうまくいかない,つまり経営のノウハウが確立できていないのに,よりリスクの高い海外に出ていったとしても,成功する確率が低いのは言うまでもない。

確かに,製造業をはじめとする多くの事業者が,海外展開を試み始めている。理由ははっきりしていて,親会社の要請に従ったか,円高や人口減少という日本国内でのビジネスの 難しさを危機ととらえて自主的に行動したかのいずれか,あるいはその両方だ。経済成長が続く市場での経営のほうが,成長が容易になるし,縮小する市場での競争は,熾烈になる。例えば,食品は,食べる人が少なくなれば,売 れる量も少なくなるので,国内だけに展開する食品関連メーカーは,イス取りゲームを続けているような心持ちだろう。

こうした中,企業の勝ち残り策を非常に単純化すると,海外を市場として活用するか,国内で何らかの形でナンバーワンの地位を獲得することのいずれかになる。実際,大手食品 メーカーは海外の食品関連企業を買収したりして,海外を販売市場として活用しようとしているし,先進的な中小食品関連企業は,新しいカテゴリーの食品を開 発したり,限定した地域で独自の地位を確立したりといった戦略をとっている。日々の操業や資金繰りに追われ,そうした戦略をとれない企業・事業者は,どん どん経営の選択肢が狭まっていることを実感しているはずだ。

海外ビジネスを考えるべきかどうかを考える前に,まず国内ビジネス,あるいは既存の事業で,何らかの形でナンバーワンになれないかを検討してみるべきだ。国内のビジネスでは立ちゆかないとあせって海外ビジネスに突入することは危険である。航空機のパイロットは,選択肢を狭めない決断をすることを基本としている。企業経営の場合,まずは既存事業で一定の利益確保ができていることが,選択肢を持つ,あるいは増やすということにつながる。

次回は,異文化に対する態度について考えてみよう。

6次産業化総合化事業の法認定申請の際に必要な資料一覧

プランナー活動を初めてほぼ1月たちました。事業者さんの支援もまだ試行錯誤の多い段階ですが,まずはこれは必要だろうということで,6次産業化総合化事業法認定申請必要書類一覧を掲載しておきます。ご利用はご自身の責任でお願いします。

その他に,事業の採算性の試算表と,活動・投資・運転資金計画試算表もつくりましたが,勘定科目を適当につくってあり,こちらには未掲載です。農業経理の勘定科目に合わせて項目名を改定した上で,気が向いたら掲載します。

 

5案件進行中

8月は休みなしの忙しさです。8月末が第二回六次産業化法認定申請締切の目安なので,事業者さんが申請書を仕上げるお手伝いを同時並行で進めています。魚野の申請支援担当は現在5案件。

輸出を考える小規模事業者に確認したい3つのこと

今,小規模事業者の間でも,日本市場の将来を悲観して,海外市場を開拓しようという動きが広がっている。こうした動きは基本的に賛成だが,海外には多くのリスクがある。それゆえにそうした取組を始めたいという事業者に,3つの点について確認したいのだ。それは,その事業者にとって本当に海外活用が最適なのか,きちんと海外市場や海外取引について学んでいるか,そして,日本の小規模事業者なりの勝負の仕方をしようとしているか,の3点である。まず,今日は本当に日本社会は悲観的な将来しかないかという点について考えてみよう。

今,日本経済の将来に対して悲観的な見通しが広がっている。短期的には,復興需要やもともとの経済力によって幾分景気はよくなるだろうが,人口も減り,新興国に追いぬかれ,日本は衰退するという。魚野は基本的にこうした考えとは違った将来を描くべきだと思っている。隣国に豊かな国・地域が出現するのなら,それはこの国にとって大きなチャンスになる可能性がある。

まず日本には,こだわりを尊重し,それを産業化できる伝統がある。江戸時代より,日本の工芸品・芸術作品は全世界で注目を集めていた。高度成長期,広義の品質(Q:機能・性能・デザインといった狭義の品質,C:価格(とそれを実現するコスト低減),D:納期(必要なときに必要な数量を提供するという意味を含む)の3つからなる)を極めた工業製品が世界を席巻した。たしかにMade in Japanの工業製品というのは,人件費が世界一となってしまった現在,競争力に乏しい場合も多いかもしれない(もっとも,農産品を中心に,十分競争力を持つ場合も多いが)。しかし,Made by Japan, Designed in Japan, Produced by Japaneseといった,日本文化の特性を生かした商品・サービスの供給には,可能性が詰まっている。世界から見た日本という存在は,昔も今も,かなり大きいのだ。

また,日本には,豊かな資源がある。海に眠る天然エネルギー資源しかり,農山漁村にある豊かな文化,美しい風景,ものづくりの世界にある改善という知恵と,それを実現する人を育てるノウハウ(もっとも,これは多様化する価値観に合わせてやり方の修正という工夫は必要だが)しかり,街のストーリーしかり,自然災害に対峙する工夫しかり,…。不足しているのは資源ではなく,その資源を活かせるのではないかと気づき,工夫を重ねる人と,取りくむための冒険心つまり,「創造的な人」なのだ。

生産年齢人口が減るから経済が衰退するという議論がある。新しい,高齢者市場,退職者市場の出現に目を向けたらどうだろうか。ITや運送技術の発展を生かし,豊かになった近隣諸国をはじめとする諸外国を市場としてみてはどうだろうか。単一価値観を尊ぶ社会を転換し,多様化から創造性を引き出す社会への転換に成功すれば,いっそうの可能性が広がる。偏狭で感情的な排外主義や卑屈な感情の裏返しである差別意識を克服し,海外社会出身の流動民を受け入れるようになれば,こうした動きに拍車をかけることも可能だろう。

高齢社会への対応の遅れから,税収が減り,政府財政が破綻する,ひいては日本が破綻するという議論がある。たしかに日本政府に対する海外からの懸念は一定程度あり,信頼が失われる事態に至れば,経済の混乱は必至だ。だからこそ,政治に一方的に期待し,短期的に成果が出ないと次々と指導者を取り替えるといった投げやりな態度ではなく,一旦選んだら一定程度の期間はまかせる,税負担を口にしただけで感情的な拒否反応をすることをやめるといった,成熟は必要だろう。だが,この国の国民は,それくらいの成熟度には達することができる。たとえその糸口が,不幸にも大きな災害であったとしても。

東京が豊かに繁栄して,名古屋が没落しただろうか。近隣地域の勃興が,日本の零落に即決するだろうか。知恵と勇気で工夫を重ねていけば,つかみとれる可能性のある機会と強みは十分にあるのだ。

明日は,どんな事業者なら海外活用を考えるべきかという点を検討したい。

六次産業化プランナー活動開始

本日,東海農政局で六次産業化プランナーの研修がありました。なぜか,コーチング研修。そこでの様子を報告します。

事前に県単位委託機関の方に話を伺ったところでは,第1弾の活動がコーチング研修という知らせがいったとき,他のプランナーさんからはなぜ今更コーチング研修?もう知っているよ?という疑問の声があがったそうです。さもありなん。コーチングがかなりメジャーになってきましたからね。魚野の場合は独学+単独セミナーに数回出席したことがありますが,基本を見なおしてみるかなという思いと,初回の活動に顔を出すことで他の関係者の皆さんと顔見知りになろうという思いで参加してきました。

本日は愛知・岐阜・三重の東海三県,各県4名のプランナーさん(多分,全員ではない)+αが参加されました。やはり会場では,なぜコーチング研修かという話が出ていましたが,1次産業事業者さんは寡黙な方が多いから,上手にその本音を引き出したり,目指すところを聞き出したりする技術として有効といった説明がありました。六次化法の話はもう済んでいる(公的説明会や,人材研修で実施済み)という前提でテーマ選定されたのでしょう。

知っているよという方は出席されなかったのか,コーチングという言葉も知らないという方が1名,研修までうけたことがあり,実践しているよという方が私も含めて2名,その他聞いたことがあるという方の組み合わせでした。

内容としては,コーチングスキルのうち,聞く力,質問の力,ペーシングの3点でした(詳しく書くと,研修をされている会社のノウハウをだしてしまうことになるので,この程度にとどめておきます)。

今回は東海農政局で缶詰研修でした(缶詰技術の研修ではない:-))が,以後,研修は1ヶ月おきに残り2回。プランナー業務の説明会そのものはまだ日程は正式連絡なしですが,多分,来週。本格稼働は7月後半以降???プランナーや受託機関の名簿は今回は配られていません。プランナーに誰が選ばれたのか,どんな仕事をどんな役割分担,責任分担でやっていくかなど,プランナー事業の全容は7月の説明会で明らかになるのでしょう。

ウェブサイトの構成を変更

プランナーによる六次産業化の支援が始まるのを期に,少し当事務所のサイトの構成などをいじってみました。何をしたかというと,以下のとおり:

  1. 農商工連携,地域資源については既存ページのページ名と内容を若干変更(農商工等連携:説明実績,地域資源:説明実績)。
  2. 同じくそれぞれリアルタイム報告ページを追加(農商工等連携:報告,地域資源:報告
  3. 六次産業化のページ(説明実績報告)を追加。

しばらく前から,Twitter上での魚野のつぶやきFacebookの魚野サイトのほうに自動転記するのも止めました。この趣旨は,Facebookと魚野の独自ドメインサイト(www.kuono.net)の役割を明確にわけることにあります。また,メーリングリストを使っていた,所属グループ,主催グループのメンバーの皆さんとの情報共有も,Facebook とEvernote の組み合わせに移行していくことにしました。

Facebookの活用の仕方にはいろいろなモデルがありますが,当事務所では今後,以下のような使い分けを行うことを考えてみました。

  • Facebook … 実際にお会いしたことのある方とのみ友達になる。勉強会や研究会を,Facebook 上のグループの機能を活用して,普段はFacebookのみ見れば,必要なときに必要な人と連絡がとりあえるようにする。
  • Evernote … Facebook のグループ機能では,現状,大きなサイズのファイルが共有できなかったり,簡単な文書のみしか共有できない。そこで,.pdf ファイルやエクセルのファイル,マインドマップファイルなど,各種の文書を知人と,あるいはグループで共有したい時,Evernoteのノート共有機能を使う。dropbox などでのフォルダ共有でもよかったのだけれど,クラウド技術のデモンストレーションに加え,自動文字認識やタグ付けといった,より未来を感じさせるサービスということで選んでみました。

ついでに書いておくと,MacBook Airの運用も,こんなふうにしていくつもりです:

  • 基本的には,自宅でも外部モニタとHHKを繋ぎ,Airを使う。
  • すべてのデータは,自宅のMacBookにおき,TimeMachine 機能でバックアップを取る。さらに,Dropbox を利用して,でほとんどのユーザーデータをWindowsマシンと共有(オンラインとWindows機による二重バックアップもどき)。128GBしかSSDがないMBAには,進行中のプロジェクトファイル+プライベートファイルのみ置く(Dropbox で他の機器と同期)。
  • 30GBを超え,今後も10倍程度には増えるであろう自炊蔵書についてはdropboxに放りこみ,かつ,ポータブルHDDに入れてMBAといっしょに持ち歩く(このHDDは暗号化して万一の盗難・紛失に備える)。これは64GBクラスのUSBメモリが普及価格になるか,MBAの交換用SSDの価格が下がるか,あるいはSSD容量が倍増した新しいMBAがでたら,そちらに乗り換え。
  • 30GB程度のこれまでの業務ファイルも上記と同様。
  • 外出先,自宅とも,WiMAXでネット環境構築。
  • 山間部に出かけるため,今後,安価なイオン-日本通信3G回線を利用するか,iPhone+ソフトバンク回線で逃げるかは検討。

今朝の日経で気になったのは…

今朝の日経で気になったのは…

  • 台湾の学童保育「安親班」…地域で子育てを差せる仕組みだね。
  • 広がる越境文学…外国語を母国語とする人たちの日本文学。アイデンティティの悩みから言葉への関心に焦点がうつりつつある?
  • 書評 選択の科学 知見集めて深く探究した力作 …コロンビア大学ビジネススクールの特別講義。たしかにおもしろい。
  • 書評 中国「反日」の源流 (講談社選書メチエ) 目からうろこの近世・近代史…書名が商業主義にあふれているなぁ。
  • 書評 中国エネルギー事情 (岩波新書) 包括的な分析から「戦略」浮かぶ…資源確保は今後数十年,政策の焦点の一つになるよね。
  • 書評 日本林業はよみがえる―森林再生のビジネスモデルを描く 森林再生のシステム構築 説く…海と森はうまくいかせるといいね。
  • 中国、始まった住民参加…日本人のイメージよりも,中国の民主化の動きは進んでいる。ただ,ひどい人権侵害が行われていることも忘れてはいけない。

その他,開国フォーラムが名古屋でも開催されるとのことで,参加を申し込んでみた。

今朝の日経で気になったのは…

今朝の日経で気になったのは…

  • 第3回「食と農林漁業の再生実現会議」開催…まもなく六次産業化関連の研修なので。
  • 中国,四川省の作家拘束…ことばだけの批判は簡単だが,何ができるか考えたい。
  • 中国に日系大型商業施設進出計画相次ぐ…来年から再来年にかけて,SCやアウトレットモールが多数開店。日本の地方の商品にとっては少し朗報?