小規模事業者さんにとっての6次産業化認定〜2016年度版

2011年から本格的に始まった,国による6次産業化推進政策,ここに来てやや変化が見られます。魚野は小規模事業者さんの支援担当が多いのですが,あらためて,小規模な農林水産事業者さんが国の6次産業化事業の認定をとることのメリット・デメリットを考えてみました。

メリット

  • 外部に相談者ができる…実際認定をとってみて一番良かったと言われるメリットです。愛知県は,いろいろな背景を持った6次産業化プランナー(例えば小売バイヤー・店長担当者,レストラン経営者,食品メーカー営業,同品質管理)がおり,互いに情報交換や事業者さんが抱える課題解決の相談を行っており,実践的な支援ができていると自負しています。商標をとりたい,加工業者を探したい,輸出したい,商品デザインを検討したい,ウェブサイトを作りたい,店舗を改装したい,などなど,いろんな課題を一緒に考えます。
  • 商談会や展示会の情報がよく入ってくるようになる…県や国が関わる商談会・展示会の情報を,役所からもサポートセンターからもプランナーからもお送りしています。地産地消・輸出関係の会が定期的に開催されており,うまく活用されている事業者さんは,どんどん販路を広げられています。

かつては認定をとることで補助金の補助割合がかなり高かった(ソフト2/3,ハード1/2)のですが,今は後述のような状態であり,個人的には補助金を受けるという目的のために認定をとることは,特に小規模事業者さんにとってはまったく必要ないと思います。

デメリット

  • 事務の手間が大変…申請書づくりや,認定期間中・後の定期報告の手間がかかります。魚野の場合,申請書づくりは1回2時間くらいの事業者さんとの打ち合わせを7-8回はします。1週間に1回としても2ヶ月。また,認定事業者は毎年,経営状況の報告をしなければなりません。また,補助金を受けた場合,四半期ごとの報告になります。
  • 会計データをそろえる…これは,経営をしっかりやるという意味では個人的にはメリットだと思いますが,それはともかく。今までは会計がどんぶり勘定でも認定を受けることが無理ということはなかったのですが,だんだん審査が厳しくなり(行政の政策に関わる認定は大抵そうなのですが),既存の経営の数値を元に経営計画をたてるというアタリマエのことをすることが求められます。どの取引先に,どんな商品を,どれだけ売っているか,具体的に答えられることが必要です。

6次産業化の事業認定制度と補助金:変わったこと・変わっていないこと

6次産業化の事業認定の要件骨子,つまり農林水産事業者が,自ら栽培・採取した農林水産物を活用し,新たな商品の生産や販売,新たな提供方法を実施することで,農林水産業の経営を改善する事業計画,これは基本的に変わっていません。

ただし,当初は国の出先機関が直接,各都道府県のサポートセンターとやりとりして事業を進めていましたが,ここ二年間は,国の予算を各都道府県が受け取り,この予算でサポートセンターが活動するという内容に変わりました。これにともない,補助金の使用予定を夏に各都道府県が要望調査,国に伝え,都道府県・国とも翌年度の予算取りをおこない,翌年度の国の予算成立,都道府県への国の予算の交付,事業者からの補助事業の採択申請,採択決定,交付申請,交付決定,事業推進,事業完了報告と支払い申請,完了検査,支払といった段取りになりました。

それまでは,要望調査から実際に補助金を受け取るまで,9ヶ月くらいということで,場合によっては施行が間に合うか心配ということもあったのですが,都道府県に主体が移されてからは,事業計画は要望調査が始まる前の段階(遅くとも夏)には受けて置かなければだめということで,事業計画立案段階で約2年先の計画を盛り込んで置かなければなりません。要望調査の段階ではハードなら,使用する機械・設備の選定理由(どうしてその機械・仕様でなければならないかを数値データを元に具体的に)説明しなければなりません。

2016年度の6次産業化認定事業者さん向けの補助金がどうなるか

従来は認定事業者に対する補助率がそうでない事業者に対して有利となっており,政策的に事業者を誘導していた感がありましたが,来年度(2016年度)は,農林水産省の6次産業化に関する予算等のページに掲載されている「平成28年度6次産業化支援対策の予算概算決定の概要」によれば,以下のとおりです。

  • ソフト事業(商品開発・販路開拓)農林水産業者が対象(事業認定にかぎらず),交付率1/3以内,市町村戦略に基づく取り組みは1/2以内
  • ハード事業(生産設備整備,加工機械・施設整備,販売施設整備等)事業認定を受けた農林水産業者団体(法人の認定事業者:魚野注)交付率1/10以内,上限1億円(ただし,事業費の3/10,融資額,事業費ー融資額ー地方公共団体等による助成額のうち一番低い額の範囲内)

結論的には

というわけで,ハード補助をねらうなら認定必須ですが,小規模事業者さんがハードをねらうことはおすすめしません(まずは経営体力をつけることが大切。売上,利益率をしっかり確保しましょう)。ソフトについても,今からすぐ事業認定申請に着手しても,実際に補助金が使えるのは2019年度です(補正予算がついて2018年度の途中で募集がかかる可能性というのもあるかもしれませんが…)。それよりは,持続化補助金や都道府県・市町村単位でやっていらっしゃる新商品開発や展示会・商談会参加,知的財産取得関係の補助金を活用したほうが,事務手続きも楽で,機動的に活用できます。

小規模事業者さんが6次産業化の事業認定を目指すべき本当の理由

ただし,外部に相談できるというメリットは,私が言うのもなんですが,絶大です。成功例としてご紹介させていただくような事業者さんは,やはり,ことあるごとにご相談いただき,一緒に課題解決をさせていただいております。

また,事業計画をつくるということは,農林水産業経営の見直し,戦略の構築をするということと同義(になるように,少なくとも魚野は支援しております)。

認定を受けられなくても,来年度はプランナー派遣の対象となる場合はありますが,事業計画づくりを一緒に行い,そのネットワークを大いに活用していただくことが,事業経営を次のステップに進めるきっかけになるかと思います。迷っていることも含めてご相談いただくことが,問題の整理につながるかとおもいますので,迷っていることや不明点,疑問点などありましたら,サポートセンターや魚野までお問い合わせください。

なお,以上の見解は,あくまで魚野個人のものです。所属組織や職位としての見解ではありません。

支援先事業者さんが読売新聞に掲載されていました

愛知県岡崎市の老舗茶園「宮ザキ園」さんの6次産業化商品,「わ紅茶」が,読売新聞に掲載していただけたとのこと。

今朝の読売新聞に掲載いただきました。紅茶もワインと一緒で、産地や品種、加工などで農家それぞれが個性を活かせる商品だと思います。個性の違いを楽しんでいただけると嬉しいです…

Posted by 宮ザキ園 ( 日本茶と「わ紅茶」のある暮らし) on 2015年8月9日

宮ザキ園さんは発売前にクラフトのパッケージを検討していた頃から支援させて頂いています。3月にはニューヨークの展示会にも一緒に行き,海外市場開拓をお手伝いしています。親子三代にわたって紅茶と関わり,変化を続ける江戸時代から続く老舗茶問屋の活動,どのように発展していくか,楽しみです。

8月22日,支援先事業者さんがCBCの番組に出演されます

支援先の愛知県・岡崎市の茶園,宮ザキ園さんがテレビでまたとりあげ
られるとのこと。うちにはTVがないのでどこかで見せてもらわないといけない。

宮ザキ園さんは江戸時代後期から続く老舗ですが,若手7代目当主夫妻がいろんな新しい取り組みをしています。取材で取り上げられた国産紅茶の「三河わ紅茶」は,イギリスやインドなどの紅茶とちょっと違う,優しい感じに仕上げた半発酵茶。6次産業化の取り組みとして,農林水産大臣の事業認定を受けています。

従来は一般の茶農家と同じく緑茶を市場やJAへの卸売などしていられましたが,相場に左右されることから売上や利益が安定せず,独自の商品を作って自分の手で売ろうと取り組みを始められました。

ご当主夫妻は誰かから助言されたら,自分なりに咀嚼してどんどんやってみるという前向きの姿勢で,いろんな取り組みをされています。紅茶ワークショップ,地域活性化のためのNPOの運営,茶摘み体験ツアーの提案,ニューヨークに自ら煎茶・紅茶・ほうじ茶を売るために現地の大型展示会に出展,地元神社との協力,地域ですっかり定着した,音楽イベントの企画・運営も彼が声を上げたことが始まりです。

宮ザキ園さんに限らず,6次産業化で成果を出されている事業者さんは,素直で明るい人が多いですね。周囲からの支援が自然と集り,それが周囲へとまた帰っていく,そんな好循環を作り出しています。

CBCの取材も無事終了ww三河わ紅茶の魅力を語らせていただきましたww8月22日のプレ旅MAXで放送されますwwhttp://hicbc.com/tv/tabimax/index.htm  中部日本播送(CBC)的取材順利得完,…

Posted by 宮ザキ園 ( 日本茶と「わ紅茶」のある暮らし) on 2015年7月25日

アメリカでの食品の機能性・効能表示規制制度と一般食品での実態に関して

先日,とある診断士の研究会で,アメリカでの食品の効能表示の実態はどうなっていますかという質問があった。簡単に調べてみたので,自分のための覚書としてここに掲載しておく。ただし,この記事は,なんら助言をするものではなく,内容の妥当性,最新性も保証しない。

機能性表示の全体像

基本的に,アメリカでの食品の効能表示については,健康食品でしかできない。事業者の自己責任という考えで制度ができているようだ。

米国等における食品の機能性表示制度 2014/12/20 消費者庁

消費者の安心・安全確保に向けた海外主要国の食品に関する制度に係る総合的調査 アメリカ編 2009/07 消費者庁
食品行政制度の概要比較表…2009/07 消費者庁

健康食品の現地輸入規則および留意点:米国向け輸出 2014/01 JETRO

以下,上記JETROの資料からの引用

5. ヘルスクレーム(健康強調表示)
A. ヘルスクレームは、疾病リスクを減らすことに限定され、病気からの回復や治療効果は表示できません。ヘルスクレームを行うには、公表データによって科学的に立証され、専門家の支持が必要です。それらをもとにFDAに申請して許可を得なければなりません。

B. 留意点
最近の事例では、FDAは「最近の当社の研究によれば、冠状動脈の罹患リスクをもっている人に対し、緑茶あるいは緑茶のフラボノイドがコレステロールを著しく引き下げる効果があった」という内容のヘルスクレームを表示した米国企業に対し、医薬品に該当するものであるという理由で、表示を中止するよう勧告しました。
米国ではヘルスクレームに対して、FDAから中止勧告を受けて商品の自主回収を余儀なくされるケースや、消費者団体や弁護士事務所が科学的根拠に乏しいヘルスクレームを行って消費者に誤解を与えたとしてメーカーを提訴するケースがあります。こうしたケースでは、回収費用が発生する、あるいは莫大な損害賠償金の支払いを余儀なくされたケースもあります。ヘルスクレームは慎重に行ってください。
FDAが認めているヘルスクレームの一例を以下に示します。
「Three grams of soluble fiber from oatmeal daily in a diet low in saturated fat and cholesterol may reduce the risk of heart disease. This cereal has 2 grams per serving.」

一般食品での実態と考察

先日米国現地で買い求めたT社の緑茶ティーバッグ商品には,Naturally Decaffeinated, Natural Source of Antioxidants, GREENS: naturally refreshing teas with smooth taste という表示がある。

これについては以下の疑問が浮かぶ。

  1. 緑茶ティーバッグが制度上の健康食品にあたるのか
  2. Natural Source of Antioxidants という表現は天然由来の抗酸化物質という意味かと思うが,抗酸化という表現が含まれている。機能性表示にあたるのか
  3. naturally refreshing teas という表現はリフレッシュできるという意味かと思うが,これはさすがに機能性表示にあたらないと判断されるのか

元品質管理担当者としてはおっかけてみたいが,今日のところはこのへんで。

初めての海外展示会参加で成果を上げるために

海外販路開拓の手法の一つとして,展示会や市場視察は重要な手法の一つだ。ところが,準備不足で思ったような成果があがらなかったということが多い。成果をあげるための心得をいくつか紹介しよう。

そもそも輸出・展開できるのか

前提としては,そもそも出品したい商品・サービスが相手国・地域に輸出できるのか,展開できるのかだ。ここをクリアしていないと,どんなに魅力的な商品・サービスでも,第一歩が踏み出せない。食品・農産物なら検疫制度や関税制度で制限のある場合があろうし,サービスだと,例えば中小企業診断士が外国を訪問して現地で企業診断・支援をして現地で対価を得ると,違法となる場合もある。まずは,JETROでそのあたりを調査する必要がある。

自社の戦略に合う展示会を選ぼう

海外展示会への出展は費用がかかる。輸出関連は補助金やら支援策やらが多くなっているが,それでも時間というコストは避けられない。出展/視察する展示会は慎重に選びたい。探すには,JETRO(日本貿易振興機構)のデータベースがまず参考になる。

ただし,このデータベースにすべての展示会・商談会が登録されているわけではないので,検索サイトで”開催国・地域名 exhibition”などと検索してみることをお忘れなく。

また,ターゲットとして狙う層が来てくれる展示会か否かは,その展示会の公式サイトをチェックして確認しておこう。いずれの公式サイトも,過去の開催実績を掲載している。前年・前回の出展者数,来場者人数,展示会の主な参加者プロフィール,写真付きレポートなどは,参加展示会を見極める上で大いに参考になるはずだ。

商品・サービスのコンセプトと価格,送付方法をはっきりさせておこう

英語や現地の言葉に訳したパンフレットを準備する際,商品・サービスのコンセプト(ターゲット,対応ニーズ・想定使用シーン,特徴・独自性)を文章にしておくと良い。あえて外国語に訳してみることで,足りない部分や論理的に表現できていなかった部分が見えてくる。

また,現地で購入できる価格の提示は必須。そのためには,あらかじめ送料や関税の料率なども調べておく必要がある。

協力者とのコミュニケーション

現地で通訳や,アシスタントがつくことがある。こうした人達には,自社の商品・サービスの特徴を事前によく理解してもらおう。また,ブース来場者との話をまとめた商談記録を,後日まとめてわたされるなどというシステムがとられることがあるが,ぜひ,当日,コピーをとり,アシスタントなどとその記録について,簡単な振り返りをおこなおうべきだ。記録にはちょこちょこ間違った情報が記載されてしまうことがある。展示会場は忙しいのでミス自体は起こりうることと心得,それを早めに発見することが大切だ。帰国してからではわからなくなってしまう。

現地の生活に触れよう

食品関係の出展者でも,現地にいくと日本人同士で日本食ばかり食べていたり,タクシーばかり利用している事業者さんが多い。もったいない話だ。現地の食,現地の生活を体験しよう。安全に配慮する必要はあるが。

現地滞在中にフォローや情報収集をしよう

商談記録や実際に会った際の印象などをもとに,先方事業者がどれくらいビジネスに結びつきそうかの度合いをランク付けし,できればお礼状を現地でだそう。また,展示会終了後,先方の事務所や店舗・倉庫を見に行こう。

参考資料

JETROは,「初めての海外見本市のために‐出展のポイント」という書類を発行している(同機構のサイトからダウンロード可能)

チェックリスト

  • そもそもその商品・サービスは相手国・地域で展開できるか
  • 開拓先の都市・地区が定まっているか
  • 現地で入手できる価格ははっきりしているか
  • 商談シート記録は当日まとめられたか,ふりかえりができたか

ニューヨーク出展を支援してきました

創業190年の老舗茶問屋さんのニューヨークでの展示会出展を支援してきました。こちらは事業者さんの報告。

展示会も無事終了。レストランオーナーやホテルの料理長、スーパーマーケットや百貨店のバイヤーさん、多くの来場者が宮ザキ園ブースにお越し下さいました。アンケートや市場調査では高評価をいただき、海外マーケットの可能性を感じる展示会でした。

Posted by 宮ザキ園 ( 日本茶と「わ紅茶」のある暮らし) on 2015年3月14日

創業190年の茶園「宮ザキ園」が米国市場に挑戦!

東海地域農林漁業成長産業化推進協議会さんに支援事業者さんが紹介されました。

【認定事業者の挑戦①】創業190年の茶園「宮ザキ園」が米国市場に挑戦!宮ザキ園 梅村篤志さん愛知県岡崎市の茶園「宮ザキ園」が、3月7日から10日、ニューヨークで開かれた食品展示会に出展し、ほうじ茶、わ紅茶、緑茶の3種類を実際に試飲し…

Posted by 東海地域農林漁業成長産業化推進協議会 on 2015年3月30日

香港の商標登録制度情報

ーとある事業者さんに提供した情報を記録として掲載しておく。

⚫︎⚫︎農園様

お世話になります、魚野です。表題の件、以下お知らせいたします。ちなみに愛知県の支援策は締め切りが6月末と差し迫っておりますが、あいにく魚野は水曜日から台湾出張のため、仮に申請されるとすると
一部のみのお手伝いになってしまいます。ご了承ください。

◼︎香港の商標登録制度概要
一般社団法人発明推進協会 APIC外国相談室が、特許庁からの委託を受けて調査した資料が掲載されている。
http://iprsupport-jpo.go.jp/
http://iprsupport-jpo.go.jp/miniguide/pdf2/HongKong.pdf

JETROサイト内にある、香港の知的財産制度を解説するページに掲載されている模倣対策マニュアル2014参照
http://www.jetro.go.jp/world/asia/hk/ip/
http://www.jetro.go.jp/world/asia/hk/ip/pdf/2004_hk.pdf
概ねイギリスの制度に則っている。また、日本語の文字を登録することもできる。

◼︎実際に登録されている商標の検索方法
香港政府の知的産権署のサイト内に、英文または中国語での検索サイトがある。
http://www.ipd.gov.hk/sc/electronic_services.htm

◼︎商標登録に必要な費用
上記の概要ファイル内に、費用一覧が掲載されている(ただし、非居住者の出願には弁護士など代理人をたて、手続きを行うが、その費用相場については例えば以下のような事業者が掲載していた(単に検索して見つけたのみであり、推奨しているわけではない。JETROや後述のあいち機構の担当者に相談した方がよい)
http://www.by-cpa.com/jp/html/news/200811/73.html

◼︎愛知県の支援策
愛知県が中小企業を対象に、外国への知財出願支援を行っている。
http://www.aibsc.jp/tabid/314/Default.aspx
また、ウィンクあいちに入居するJETROに、農産物輸出相談窓口あり。
http://www.aibsc.jp/tabid/314/Default.aspx

以上

六次産業化商品のデザイン

六次産業化で開発する商品,何がポイントだと思いますか?

大手メーカーの商品を見ると,きれいな包装デザインで,中小事業者が同じことをしようとしてもできないなぁと感じます。カラフルな色使い,整った意匠,しゃれたコトバや洗練された書体などなど。

でも,同じことをしようとしなければ,大手の商品に匹敵,あるいはそれ以上の存在感たっぷりこ商品にすることはできます。カギはシンプル,配色,統一感です。

大手の商品は,幅広いお客さんに買ってもらおうと,いろんな情報を詰め込もうとします。それゆえ,文字をはじめとしたデザインの要素が多くなりがち。一つ一つの商品はきれいではありますが,ごちゃごちゃしているものも多いです。

魚野は事業者さんとの打ち合わせでよく,三メートル以上離れたところに商品を持ち,見えますか,どんな商品か,どこの商品かわかりますか,と尋ねます。店頭で気づいてもらうこと,高齢化社会で目の悪い人の割合が増えていることを意識しています。

シンプルであること,配色が適切であること,この二つで店頭で気づいてもらえるようになります。買ってもらいたい人の感性に合ったロゴ,買い手の立場で表現した文や商品名。企画段階で女性や親子など多様な視点から意見を言ってもらう機会を設けたいもの。

そして,店頭に並んだ時の存在感。一アイテムではなく複数アイテムにすると,買うか買わないかという選択がどれを選ぶかという選択に変わるのですが,商品デザインに統一感がないとそこまで至りません

六次産業化が進む事例と進まない事例の違い

3年目に入った六次産業化プランナー業務で,支援先の事業の進捗状況がだんだんばらついてきました。

魚野の支援先は比較的進捗がある方が多く,商品開発,発売に至り,中には六次化で開発した商品で著名百貨店との取引が始まった事例もあります。

一方で,無事商品開発が終わり,発売もしているが,なかなか売上に結びつかない事例もあります。

何がその明暗を分けているのでしょうか。支援する側から見ていると、事業者さんの事業進捗の意識,商品の中身のおいしさ,そしてB2C商品については商品パッケージや店頭演出の技術,B2B商品については販路開拓での積極さあたりで違いがあると感じます。

なかでも最も鍵になるのは事業者さんの意識の持ち方。打ち合わせをしていて気づいたことをフィードバックしたとき,次にお会いしたときまでにそれを実行している事業者さんとそうでない人では,事業進捗状況の差がどんどん広がっているような印象です。

支援する側からお伝えする内容,ひょっとしたら的外れのこともあるかもしれません。その場合,切り捨てるか,不足していた情報を追加してディスカッションするか,それによっても差が出てくるようです。