‘論評’ カテゴリーのアーカイブ

海角7号を見てきた

2010 年 1 月 23 日 土曜日

知人と海角7号を見てきた。台湾で,好成績を収めたという映画だ。なんでも台湾映画としては,台湾での興行収入第一位とか。日本人も多数出演しており,日本と縁の深い地域でつくられた映画として,日本統治時代に関わるエピソードをからめたり,日本人や日本経済との関わりを入れ込むなど,なるほどなと思う。

映画の内容自体は,努力しても報われていなかった人たちが互いにぶつかり合う中で,理解しあい,最後に…というもので,ストーリーとしては王道の類だ。ところどころ笑えるよう,泣かせるよう,スパイス的な要素も取り入れられ,後半は飽きさせない。台湾のガチャガチャ感だとか,日本や日本人への複雑な思いとか,そんなところも映像やセリフのあちこちから伝わってきて,台湾や中国に興味を持っている人ならそんなところも楽しめるだろう。個人的には日本語,台湾語,中国語の三種類が聞けるということでも楽しい時間だった。

日本人の出演者たち,ことに中国語をしゃべり,台湾で働いているという主役級は,たくさんの中国語のセリフを使いこなすのに大変だったろう。そこそこ聞ける中国語になっていて,役柄でも完璧でない中国語を話すということになっていることもあり,それほど妙な感じはなかった。一方で,長い日本語のセリフをしゃべるときは棒読みかと思わせるような違和感があった。

なぜ,この映画が興行収入一位になったのかと興味をもってみてみたが,自分なりの結論は,努力しているのにあまり報われていない人たちの姿が,国際社会の中での台湾の姿に重なることもひとつの要因かなと思った。大陸の経済発展や,それに伴なう外交圧力などにより,台湾の国際社会での地位は相対的にかなり低下してきている。自分たちは民主化だとか経済建設でこんなに努力しているのに,それほど成功している人たち(国)とちがわないのにという思いと共通点があるように思う。

もっとも,一緒に見に行った留学生はそれは違うんじゃないかという意見のようで,主にエンターテイメントとしての面白さを挙げていた。この留学生はしょっちゅう映画を見ているので,生涯でまだ10本くらいしか見ていない自分の意見よりは的確なのかもとその場では思ったが,一位の座を得るほどの秘密が何にあると考えているかは,聞きそびれてしまった。

たまには映画もいいものです。次は「泣きながら生きて」かな。

[日誌]KG-PL105Sインプレッション(1)-小型LEDプロジェクタがやってきた

2009 年 9 月 12 日 土曜日

加賀電子の小型LEDプロジェクタ,KG-PL105Sが我が家にやってきた。まずは外観や,同梱物などについての印象を。

大きさはメーカーのサイトなどで知ることができる。突起部分はゴム脚やフォーカスリングが多少あるくらいで,ほとんど立方体だ。電源部分がアダプター方式なので,本体はそれほど重いとは感じない。もっとも,アダプタをあわせた重さは結構あり,持ち歩くのを考えると,多少大きさが大きくなってもいいから,電源部分を一体化して欲しいと思う。

キャンペーン中だったこともあり,スクリーンとバッグをつけてもらったが,製品にはソフトケースが同梱されている。ウレタンの袋が2つついていて,どうつかうのかとまどったが,タグが「TAXAN」と「Accessories」になっていて,どうやら大きい方に電源アダプタやコード類を収納するようだ。

今のところ,一番気になっているのがレンズ部分にカバーがないことである。レンズがむき出しになっており,本体の面からやや引っ込んではいるものの,持ち歩いている最中に傷つけはしないかとかなり心配である。

動作音はそこそこ静かだが,LEDランプだからといってファン無しでは済まされないようだ。筐体が小型なこともあり,ファンがどうしても小型になって回転数を挙げざるを得ないのか,風切り音がする。もっとも,試してみた自室での使用では,画像に集中すれば気にならないし,ラジオが鳴っていたり,室外の風にそよぐ枝の音などがかき消してしまう程度の音量だ。

外観はシンプルで,本体に搭載されているボタンの照明も,設定によって消すことが可能。注意書きなどは日本語の他に,中国語(簡体字)や英語などが表示されている。本体のメニューでは表示言語に日本語,英語,簡体字,フランス語,スペイン語が選択できる。マニュアルは日本語と英語での表記があった。

次回は出先での事業者との面談に使うことを主な目的に,LEDプロジェクタの実力を試してみたい。

写真1 KG-PL105S – 包装の段ボール。本体は韓国製らしい。

写真2 KG-PL105S – 大きさの比較のため,単3電池をおいてみた。

写真3 KG-PL105S -同梱のリモコン,投射レンズ付近。

写真4 KG-PL105S – 複数の機械をつなぐ構成になるので接地してくださいとのこと。

[日記]特別公務員が憲法を知らない?

2009 年 8 月 16 日 日曜日

麻生さんが憲法9条に書いてある表現を盛り込んだ文章を読み間違えたことがニュースになっています。それもよりにもよって,戦没者追悼式の式文で。憲法は,政府が暴走しないように枠をはめる公法の代表格で,遵守義務は主に政府関係者が対象となっているはずですが,総理はこの部分,声に出して読んだことは無いのでしょうかね。

[日誌]カイゼンがもたらすもの

2009 年 8 月 10 日 月曜日

8月初旬,アメリカのスターバックスがトヨタ流の「カイゼン」を取り入れて業績が回復していることについての報道を受け,いくつかのサイトで批判的な趣旨のとりあげ方がされていた(ex. 47newsの記事Business Media 誠での記事)。コーヒーが素早くきちんと提供できるように取り組むことと,客が気持ちよく過ごす時間と空間を提供することが矛盾すると関係者が考えているとしたら,いまだ「カイゼン」の価値や内容を正確に認識していないといえるのではないか。

「カイゼン」について批判的に述べられた記事を読んでみると,スターバックスが,工場のような効率の改善を重視したら,同社が重視してきた雰囲気,もてなし,コーヒーなどについてのこだわりを軽視するのではないかという懸念があるようだ。そこには,確かに無駄を排除し,効率化を目指すという「カイゼン」の一断面がとらえられている。

しかし,「カイゼン」については効率化の実現の他にもうひとつ着目すべき点がある。自分(たち)の仕事のやりかたを見直し,改善案を提案し,実際に効果を上げていくことがもたらす組織づくり,ひとづくりが進む方策となり得るという点だ。ムダを発見することは,観察や気づきの力を伸ばすし,効果を実感することは,参加者の自己評価の向上につながる。

人育ち,組織育ちの支援には,成果重視の考え方の他に,過程重視,人間関係重視などの視点がある。「カイゼン」について反射的に批判する人たちの間には,「カイゼン」が成果を出すことを最重視しているという思い込みがあるのではないだろうか。

実際に「カイゼン」活動を通じて組織の活性化をはかってきた経験からすれば,効率向上の成果のみを重視し,評価することは禁じ手の一つだといえる。参加者が取り組んでいる活動内容の成果を最大化するための支援は大いに大切だが,成果が最大の目的になってしまうと活動や考えのおしつけになり,参加者の自主的な取組の気持ちが失われ,結果として全体の成果は小さくなってしまう。逆に,おしつけがなければ,スターバックスの例で言えば,よいコーヒーとよいサービスで心地よい時空間を提供しようという会社のアイデンティティと矛盾するようなアイディアは,スターバックスのような経営理念がきちんと従業員や社会に浸透した会社内であれば,自然に排除されていくだろう。

取り組んでいる事業所の中で,効率化重視に対する疑問が多く出ているのだとしたら,それはいまだ「カイゼン」活動の趣旨がうまく伝わっていないのだろう。活動の推進側にも,業務成果と組織活性化の両方をバランスよく目指す感覚が求められるし,報道,コメントする側も,この日本が発見した一流の経営手法の根本をふまえた報道や応援,批判がほしいところだ。

[日記]おくりびとを観てきた

2009 年 3 月 21 日 土曜日

昨日は知人と映画を観に三好まで出かけてきた。おめあてはアカデミー賞外国語映画賞受賞のおくりびと。たまたま1000円デーだったようで,朝一番に間に合うように行ったのだが,結局は昼一番の上映を観ることになった。

映画を観た直後の感想は,奥さん,できすぎ。

広末涼子演じる妻の姿は,黙って耐えて夫についていくという古い日本女性の考え方,行動を具現化したもの。自分だったらああいった人生の困難に当たったら,夫婦としてもっといろいろ互いにきちんと話しをながら物事を一緒に決めていきたいし,パートナーとして自分なりの意見を言ってもらい,こちらの考えも聞いてもらいたい。すべてを,何も聞かないで受け入れるというのは,どうも違和感を感じた。

もうひとつ。白鳥の映像がたびたび使われるのだが,これもあまりに,何かを象徴していますよという場面としての使われ方で,少年少女向けの漫画やテレビ番組を見ているような感覚を覚えた。

もっとも,納棺の所作は美しいし,東北の自然や葬儀の様子もものめずらしく,自分なりに楽しんできた。同行の知人は,友人が感動したというので期待していたが,それほどではなかったとのこと。聞いてみると,友人というのは来日二年目の人とのことで,外国人受けするだろうなぁという感想も,それほど的外れではないみたい。

この知人とは,6月に京劇,覇王別姫を一緒に見に行く。どんな意見交換ができるか,今から楽しみである。

[IT]クラウドの世界

2009 年 1 月 28 日 水曜日

先日よりDropBoxというサービスを使い始めた。複数のコンピュータ間でファイルの同期をネットワーク経由でとってくれるサービスで,Mac OS XやWindows, Linuxの間で一貫性を保ってくれる,大変便利なものだ。年間1万円くらいの費用はかかるが,それくらいの価値はあると思う。

Macをずっと使ってきたので,Apple社が提供している同じようなサービスの MobileMe を本来ならば使いたい所だが,今の所,DropBoxのほうが,使いやすい。DropBoxのほうが,リアルタイム性が高く,一つのパソコンでのファイルの変更が早く他のパソコンに反映される。

MobileMeのいいところはファイルだけでなく,コンタクトリスト(連絡先)データや予定データを共有できる所だが,異なるOSの間で同期をとっていると,整合性がとれない場合も出てくるようだ。この点,連絡先の利用はMac または iPhone のみ,予定データはGoogleカレンダーを中心にMacやWindowsに展開という対応の方が齟齬がすくなさそうなので,そうしている。

ITクラウドなんて,自分には縁のない世界だと思っていたが,データをネットワークの向こう側においておくという点では,すっかりはまっている。セキュリティの確保という点でまだ甘いという問題はあるが,いずれ解決されていくのだろう。

[読書]お金は銀行に預けるな

2009 年 1 月 10 日 土曜日

発売からはずいぶん日がたってしまったが、勝間和代さんの著作、お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)を読んでみた。

多くの事柄が盛り込まれており、経済成長が鈍化する中で投資という考え方を多くの人に身に着けてもらいたいという著者の熱意が伝わってくるし、その使命感は金持ち父さんシリーズで有名なロバート・キヨサキ氏と共通していると感じる。

かなり多くの事柄を新書という制約の中で書き込んでいるので、ことに金融や投資の初心者は書かれていることすべてが理解できるというわけではないが、専門用語についてごく初歩的な理解や興味をもっている人ならば、次のステップに進む指針を得られるのではないだろうか。

[日誌]討論を通じての知識獲得

2009 年 1 月 9 日 金曜日

参加しているmixiのコミュニティのひとつ、名古屋アウトプット勉強会にはいろんな分科会があるのだが、今日はそのひとつ、経済学部に出席してきた。アメリカの高校生が学ぶ経済学 原理から実践へという本をテキストに、FPさんが導きつつ参加者が討論するというもの。

今回は国際貿易や為替がテーマだったのだが、金本位制がなぜとりやめとなったのかといった単なる雑学以上の知識が求められる内容で、非常に楽しかった。

貿易や為替は実務経験があることから、オブザーバー参加のつもりがついつい説明をしだしてしまったが、FP(金融の専門家)から見た見方と診断士(経営の専門家)から見た見方とでは違いも見られるのだなぁと実感した。具体的には通貨の統合は進めるべきか否かといった点で意見が異なった。

この研究会を母体に、2月末には上海にいくとのことで、早速参加表明。JETRO上海や金融街の訪問など、楽しみである。

[読書]第8の習慣

2009 年 1 月 8 日 木曜日

mixiのコミュニティ、名古屋アウトプット勉強会の今月の課題本は第8の習慣 「効果」から「偉大」へであった。いわゆる自己啓発本で、私の中では成功本とでもいうべき分類の本である。

同じ著者の「7つの習慣―成功には原則があった!
」という本もよく売れており、分厚さにもめげず、目を通してみた。7つの習慣とは異なった軸を追加するとのことで、内なるヴォイスに耳を傾け、これを信じて進めということになろうかと思うが、キリスト教の発想を知らない一般的な日本人にとっては、ともかく信じてやってみるという人以外には少しわかりにくいだろうなという印象を持った。

当日の参加者には学生や社会人1年生といった20代の若者が多く参加していたため、あなたにとってヴォイスとは何か、あなたのヴォイスは何かと問うてみた。ミッションと理解している人が多かったが、加えて、良心ととらえる人もおり、進むべき道を社会全体が模索している中、自分自身のヴォイスが何か、まだわからないという人も多かった。

捜し求めながら挑戦することによって目指すべき道がはっきりわかるという実感を持っているので、若い人にはちょっとこくな質問かなという気もしたが、こうして真剣に考える姿を見ると、とても頼もしいものだと思う。

[読書]なぜ弁護士はウラを即座に見抜けるのか

2008 年 12 月 17 日 水曜日

企業の破産や再建を多く手がけたベテラン弁護士の手記。昨日、帰りがけに本屋に立ち寄り、購入した。薄めの本だからと就寝前に読み始めて2時間弱で読了、わくわくさせられた。現場や現物を重視する姿勢、経営者側の立場で臨みながら、従業員を大切にする気概に、なるほどこういった支援の仕方もあるのだなと思わされる。診断士も、業務によっては危篤状態の企業や、再起を図る企業にかかわることがあるが、筆者と同じように新しい発想、人を守るという発想を持ち続けたい。ちょこちょこ専門用語が出てくるので、企業会計や法律の勉強をしたことのない人には、多少ひっかかる部分があるかも。

なぜ弁護士はウラを即座に見抜けるのか? (リュウ・ブックス アステ新書)