貿易戦争


人民日報が,日本と中国は現在貿易戦争状態にあると定義したようである。農産物の暫定輸入制限から対抗措置の特別関税にいたる今回の一連の日中の動きを見ていると,そのように感じるのもむべなるかな。

特別関税の対象は,大陸の庶民生活にあまり影響のでない品目—自動車,クーラー,携帯電話は大陸で の生産が多くなってきている—を選んだようだから,中国政府の措置は国内では概ね支持されているようだ。大陸の人たちにとってみれば,日本という加工 貿易先進国に対峙していると,大いに自尊心をくすぐっているかもしれぬ。

先日の軍用機衝突事故で,中国は国際慣習より一歩強く出た主張・行動—領空外の偵察飛行の非難や着 陸直後の機内への突入をした。また,今回の対抗措置も日本側はWTOの尊重を主張してるが,中国はまだ加盟が認められたわけではないので当然というかもし れないが,この主張に基づいて折れる雰囲気ではなさそうだ。

近代から現代にかけてのわずかな期間をのぞいて,中国大陸に成立した諸国は当地経済圏において常に経済大国/文化大国だったから,経済発展に伴って自信をつけた現代中国はますますこうした意識を表に出すようになるかもしれない。国際慣習を尊重するという日 本の外交基本方針は,それはそれでよいのだろうが,それだけでは互いに不信感を増長させるだけのような気がする。日本は,近代に英国が欧州大陸に対して 行った外交を,学ぶべきかもしれない。