使ってみてわかった格安航空ピーチ香港線の○と×


先日,ものは試しと格安航空,ピーチ航空の香港線を利用した。事前に調べてわかっていたこともあったが,実際に利用してみて初めて実感できることもある。

予約編

予約はピーチ航空の公式サイトでオンラインでできる。行き先や出発地,往復の日程を選ぶと前後数日を含めて時価で表示されるので,そこから予約する形になる。クレジットカードをお忘れなく。複数で利用する場合,代表者が別の人の分も予約する方法もとれる。今回は,同行者とskypeで連絡をとりあいながら,ほぼ同時にオンラインで予約をとった。

運賃は他社と比べてかなり安さを感じる。今のところ,燃料費加算(サーチャージ)は徴収していないことも影響している。また,空港利用料は別途徴収される(予約時に表示される)が,これが運賃表示金額には含まれないので,安さを感じさせることになる。もっとも,名古屋に住んでいる身としては,出発地が関空になり,国内の移動費用がかかることを考慮に入れると,他の格安航空で中部空港発着便があるならそちらとしっかり比較するべきだ。

格安航空では延着・出発遅れ,欠航が問題になる。こうした突発的な事態が発生した場合,従来の航空会社であれば乗り換えなどの代替手段を航空会社側が提案してくることがあるが,ピーチはそれはしないと公にうたっている。今回,前日に香港へ台風がかなり接近し,その日は欠航になっていたが,twitterや公式サイトで結構の案内が出ており,運賃を返金するとのことであった。

◯とにかく安い。

△突発的な事態に対し,自力で旅程を組み直して別の手段を(場合によっては外国語を使って)確保する力を持っていることが必要。

×関空発着は東海地方在住者には不便。

搭乗手続き編

関空側では自動チェックイン機があるが,なぜか案内人が立っている。搭乗手続きができる時間が短く,この日はほぼ満席になるほど利用者が多かったので,混乱を避けるために配置しているのだろう。荷物を預けるのでなければ自動機のほうがかかる時間が圧倒的に短い。持ち込む荷物の重量検査は,今回はなかった。ちなみに一番安いクラスは持ち込み荷物の重量10kgまで,座席指定などが出来るもう一つ上のクラスだと20kgまで。

香港国際空港では自動チェックイン機はなく,通常のカウンターで手続きをすることになる。特に他の航空会社の手続きと変わらない。こちらも持ち込む荷物の重量検査は今回はなかった。

ちなみに,ピーチの香港発は夜中の0:50,2号ターミナル内の店舗は21:00を過ぎるとほとんど閉まるとのことであったが,コンビニが1店舗営業していた。今回は,前日にあった反日デモのニュースが踊る新聞と夜食用の食料をこちらで購入。

◯自動チェックイン機の手続きは楽ちん。

×深夜発の2号ターミナルは,利用できる店舗が非常に少ない。

搭乗口編

公式サイトのデザインで一目瞭然,ピーチ航空の主なターゲットは明らかに若い女性だ。しかし,搭乗口前の待合室で観察していると,広東語や北京官話が聞こえてくる。どうやら現時点では,香港在住者などが中心に利用しているようだ。もちろん日本語を話す人も多く,若い人達の利用が目立った。

関空ではバス利用の搭乗口に集められ,南海バスに乗せられ,飛行機にまで運ばれた。混雑を避ける為,座席番号で2グループに分けて載せており,大きな混乱はなかった。

香港国際空港では,一旦2号ターミナル(第三世界の航空会社がよく利用しており,離発着便数も1号ターミナルに比べてかなり少ない)でチェックインしたが,今回はシャトルとバスでどうやら1号ターミナルの端に駐機中の機材に誘導された。とにかく移動距離が長かった。

◯運用,乗客の捌き方は合理的。

×香港国際空港での搭乗までの移動距離が長い。

機内編

全席エコノミー席で,機内全体の空間は,広々としているが,ただ,座席間の距離はかなり狭い。床に落としたものをひろおうとしても,隣に誰かがいると,かがめないレベルだ。また,通路側席以外の席に座ると,トイレに立つにも隣に座っている人に一旦立ってもらうことになる。3時間ぐらいだからあらかじめ用を足しておけば問題はないだろうが,それでもエコノミークラス症候群には配慮すべきで,足を時々動かすほうがよい。とはいっても,一昔のエコノミークラス程度で,かつて中国国内での移動で使った時に比べれば,まぁこちらのほうが少しはましだと思う。

座席は片側三列。英語が話せて席が指定できるなら,非常口前席がよいかもしれない。

食事や飲み物は有料。機内で販売しにくる。

機内はかなり乾燥しており,同行者は往路便で風邪を引いたとぼやいていた。少なくとも入出国手続き・安全検査を済ませたら,飲料,しかもフタがしっかりしまるものを1本購入して持ち込むべきだろう。

◯機内は清潔。全体としては広々としている。

×機内はかなり乾燥している。

×通路側以外の席は,隣席の人たちに立ってもらわないと通路に出られない。

香港市内へのアプローチ

出国時はいずれも深夜出発ではあるが,早めに到着していれば,空港内でいくらでも過ごす場所・方法がある(但し,香港出国時の開店店舗が少ないことについては前述のとおり)。一方,香港に到着した際の市内へのアクセスは,気をつけなければならない。ピーチ航空香港線は深夜に到着するのだが,一番便利な空港特急の終電に間に合わなければ,深夜バスかタクシーなどを利用することになる。一応,深夜でも香港市内をまわる深夜バスがあり(N線),料金も安い(香港島へゆくのに31HKD)し,オクトパスカード(香港域内で使える交通系電子マネーカード)も使える。但し,現金で払うと,金額丁度でなければお釣りはもらえない(ちなみにトラム・二階建電車でも同様)。香港島行の深夜バスは終夜運転だが,空港内をかなりぐるぐる周り,ネーザンロード沿いであちこちで止まり,かつ,香港島側では東から西まで停留所に止まる回数も多い。終点の上環のバスターミナルまでたどり着くには1時間以上かかる。かなり混んでいたので,立ちっぱなしで乗っていたが,体力がない人には辛いだろう。

×深夜着便は迎えを頼んでいないのであれば,深夜の市内へのアクセス方法をあらかじめ調べておく必要がある。

まとめ

実際に利用してみて,海外旅行慣れしている人,英語で交渉できる人であれば問題ないが,体力が衰えている人,自力で問題解決できない人には,格安航空はおすすめできないことがわかった。年内に少なくとももう一度,香港に行く予定だが,一人でいくならピーチ香港便の利用はまったく問題ないと考えている。ただ,次回は農林漁業者や同業者が一緒に行ってみたいと声を上げているので,同行するメンバーの様子を見ながら利用するかどうか決めることになろう。