Mac用のOneDrive for Business

去年の1月に出ていたMac用のOneDrive for Business アプリのパブリックプレビュー版,バグだらけで使いものにならかったのだが,いつの間にかOneDrive.appに統合されていた。

くだんのパブリックプレビュー版,2015年の1月に出されていた。当時,ZDNet JapanがMac用OneDriveパブリックプレビュー版リリースの記事が出ている。

Office365を導入していたのと,容量がOneDriveに比べて大きく,自炊した書籍などの他,これまでの仕事関係のファイルなどを入れられる容量だったので,早速導入した。

ところが,である。パブリックプレビュー版といいながら,コンピュータのリソース占有量がべらぼうに大きく,ちょっとしたファイル名やパス(ディスク上のファイル位置を示す情報)がMSの想定範囲外だったというだけでアプリケーションが以上終了し,全く使い物にならなかった。パブリックプレビュー版はおろか,ベータ版にもとどかない,アルファ版の品質レベルだったのだ。

その後,何の改善ニュースも聞かないまま,アップデートを期待しつつ,今日までアプリを立ち上げてはいつの間にか異常終了という儀式をときどき行ってきたのだが,本日,Mac用アップストアで,サードパーティのアプリを発見。一瞬,誰もが困っていて,結局第三者が問題解決に乗り出したんだと喜んだが,レビューも少ないし,ネット上での評価もほとんどみかけない。

そこで検索をあらためてしてみると,いつの間にか,OneDrive.Appに統合されていたのだとか。但し,これまたベータ版扱いの様子。というのは,ターミナルで設定してやらないと,その肝心の統合された機能が表に出てこないようになっている。

ま,何にしても,多少は異常終了しにくくなったのではないかとちょっと期待しつつ,公式サイトでの説明通りに OS X 用の OneDrive.App で OneDrive for Business アカウントを有効にする方法を設定してみた。OneDriveのアイコンがメニューバーに2つ出てきて,一応,同期が始まったようである。さてどうなることやら。

Microsoft のアプリ・サービスの使い勝手に困ったこと二件

ここのところマイクロソフト社のアプリ・サービスで使い勝手が悪くて時間を取られてしまったことが二件続いているので,自分のための覚書として記しておく。ひとつめの問題は,出先で使っていた共用パソコンでうっかり Office 365 のサービスにサインインしてしまい,サインアウトの方法がわからなくてその共用パソコンから離れられなくなったこと,そしてもうひとつは,Mac 用の One Drive for Business アプリが初回の同期が終わらずにアプリが落ちまくるというものである。

問題の背景:当事務所の情報処理環境

当事業所は事務用品・環境にアップル製品を多用しているのだが,公文書に官公庁とのやりとりも多く,止むを得ず MS Office や Windows などを使用してきた。事務所となるアップルのモバイルパソコン 11’ Mac Book Air 2015 (香港で買い求めたもの),デスクトップがわりに使っている 13’ Mac Book Air 2013 (外部ディスプレイを二つ接続し,蓋を閉じた状態で使用)の両方に,Mac OS X と Mac 用の MS Office が入っており,そこに仮想ソフト VMWare Fusion をいれて,それぞれ Windows 7 と Windows 8 ,さらに Windows 用の MS Office が入っている。

進行中のプロジェクトの業務用ファイルはオンラインストレージサービスを利用している。最近はファイルをオンラインに置いておくクラウドサービスが普及してきており,当事務所も多様な環境でファイルを参照したり編集したりすることから,これまで Dropbox, Evernote, SugarSync, iCloud など様々なサービスを利用してみたが,Office ソフトで編集できるという点が決め手となり,現在は Microsoft 社の One Drive for Business というサービスを利用している。これは,Office 365 の一部という位置付けのサービスである(契約類型によっては使えない場合もある)。Office 365は,一見オフィスソフトのサブスクリプションサービスのような体裁だが,要はクラウド・グループウェア・オフィスアプリというちょっとわかりにくいが,最新のオフィスソフトが複数台のパソコン・スマホ・タブレットなどで使えるという贅沢なサービスだ。また,One Drive にファイルが存在していると,オンラインサービスの Excel や Word で簡単に編集・印刷ができる。

発生した問題

その1 Office 365 のサインアウト問題

講義のため大学には週に一回出勤するが,そこではBYOD不採用,すなわち個人のパソコンなどは大学のネットワークには接続できず,そのかわり共用パソコンが使え,Officeも使えるようになっている。自宅で作業していた講義用資料の校正・印刷を行おうとすると,今まではUSBファイルで持ち運んだり,自分宛のメールに添付してそのファイルをダウンロードしたりする必要があったが,今回,何の気なしにブラウザでオンライン編集をしようとした。しかし,個人情報が含まれているため,こうしたファイルにはパスワードをかけてある。オンライン版 Excel や Word はパスワードがかかっているファイルは編集できず,パソコンにインストールされているアプリ版の Word や Excel で編集しろと促されたので,指示通りにした。このとき,Office 365 にサインインしてしまう。

ひととおり,編集・印刷がおわり,はて,このままログアウトすればサインアウトも自動でされるのかと,ふと不安になり,実験してみると,サインアウトされない。つまり,共用パソコンなのに個人名や個人ファイルが見えている状態になっているわけだ。Excel や Word をたちあげると,ファイルを開けるためのウインドウが開き,そこにはサインインした魚野のアカウントや直前まで編集していたファイルが見えている。ところがそのウインドウにはサインアウトするボタンもメニューもない。ウインドウを閉じるとアプリも閉じてしまうため,たちあげると,またアカウント・ファイルが見える。処置無しである。

その2 OneDrive for Business の初期設定が終わらない問題

OS X 用は β版ということでやむを得ない面はあるかもしれないが,OneDrive for Business アプリが異常に不安定である。大量のファイルを含んだフォルダー(ディレクトリ)を同期させようとすると,エラーを大量に吐き,しまいにアプリが落ちてしまう。ビジネス向けサービスとして喧伝されているわりには,堅牢性に欠ける。エラーを吐くのはやむを得ないとしても,それでアプリが落ちてしまうのはいただけない。セキュリティ上の重大なリスクともなりうる。

問題の所在とその解決方法

その1 Office 365 のサインアウト問題

わかってしまえばなんてことはないだが,Office ソフトでのサインアウトは,アプリがファイルを編集しているメインウインドウのアカウントアイコンからおこなう。先ほどのファイルをあけるためのウインドウを閉じるのではなく,隠す(右上の棒状のメニューでウインドウをたたむ)ことをすれば,メインウインドウがあらわれるので,そこで操作すれば良い。

根本的問題は,最初に表示される画面にサインアウトのメニューなどがないことだ。それを見つけるにはファイルを開けるためのウインドウを隠すという操作をしなければならないが,そういったことを思いつくためのとっかかり,ヒントがないため,おそらく一般ユーザーはほとんどたどりつけないだろう。

なぜ Microsoft はこんなヘンテコなインターフェースを考えつくのだろうか。

その2 OneDrive for Business の初期設定が終わらない問題

エラーの原因のひとつは,ファイル名の命名規則がWindows のファイル・ディレクトリ命名規則を前提にしていることだった。例えば全角のコロンが含まれているだけでエラーを発するようだ。Macやスマホなども含んだ多様な環境での使用を前提にしているにもかかわらず,である。また,一部の不可視ファイル(ドットで始まるファイルは,OS X のような Unix ベースの OS では通常は見えにくいようにしてある)でかっこが使われていたりするのもエラー原因となるようだ。これは根本原因を思いつかない。

ともかく,エラーの出ないファイル・フォルダのみ同期させ,そのあと,すこしづつ追加してみて,エラーが出たら原因を推測して試行錯誤してみる,エラーが消えれば追加続行,という地道な作業を続けるしかなさそうである。

結語

Office 365 は契約類型によってはオンライン会議システムやファイル同時編集,ひとりあたり1TBものオンラインストレージ,きめ細かなアクセス制御など,便利な機能が豊富で,最新の MS Office が複数台のパソコン・スマホ・タブレットで使え,なおかつひとりあたり月額千円強と,かなりコストパフォーマンスのよい中小企業向け,士業向けのサービスだが,まだまだ使い勝手が洗練されていない。スマホかスマートウオッチが鍵となり,席に着くと簡単に情報にアクセスでき,席を離れるとアクセスできなくなるというような仕組みが,目で見えるかたちで提供されないと,不安全・不安となる。MSのみならず,アップルやグーグル,フェイスブックが今後どのような解決方法を提案してくるか,興味深い。

組織開発というテーマと最近の動向

昨日の診断士の研究会で,「組織開発」という述語が話題になった。Organization Development, 組織の生産性を高めたるための理論・技術ということになろうか。

90年台はじめ,食品会社の会社員として小集団活動の事務局を担当していた頃に組織開発とはなにか,何をすることか,などを調べてみたが,英語論文の文献くらいしかみあたらず,一生懸命翻訳しながら学んだ。当時は心理学を学んだこともなかったので,介入ということばが示す具体的な内容がわからず,途方に暮れたものだ。

最近の動向はどうなっているだろうと,アマゾンで「組織開発」というキーワードで検索した結果,そこそこの冊数が出てきた。書籍が増えてきた背景には,日本に限らず,民族的多文化化,職業的多文化化が進み,いずれの先進国のみならず,準先進国でも,個人への依存や一様性を前提とした組織運営の限界を迎える組織が多くなっていることが影響しているのであろう。また,組織開発を専門テーマとするコミュニティもあるようだ。

これまでの組織開発では,固定的な組織構成,中期に渡る同一テーマの追求が前提になっていたようだが,ITC革命・物流革命による社会変化の速さに対応するため,多くの地域や組織でチーム制,メーカーズ運動,起業推進といった新しい動きが見られる。こうした離合集散を繰り返すような組織では,もっと流動性に対応できる理論が求められるとのことで,古典的には「学習する組織」という本が,こうした変化に対応する組織づくりという点では早期の出版物であろう。

最近では,チーミングという概念に焦点を当てた「チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ 」という本も出されている。この本では,ずばり変化するチームに焦点を当て,高パフォーマンスを発揮するためのチームリーダー・チームメンバーが身に付けるべきスキルや,その取得方法についてが述べられている。

ご参考まで。

学生がひきこまれやすい落とし穴,ねずみ講とネットワーク販売について

かつて受け持っていた教え子が,知人からネットワーク販売ビジネスに誘われているのだがねずみ講ではないのか,どうしたらいいかと相談してきました。以下は,その返信(固有名詞は削ってあります)。

使ってみてわかった格安航空ピーチ香港線の○と×

先日,ものは試しと格安航空,ピーチ航空の香港線を利用した。事前に調べてわかっていたこともあったが,実際に利用してみて初めて実感できることもある。

予約編

予約はピーチ航空の公式サイトでオンラインでできる。行き先や出発地,往復の日程を選ぶと前後数日を含めて時価で表示されるので,そこから予約する形になる。クレジットカードをお忘れなく。複数で利用する場合,代表者が別の人の分も予約する方法もとれる。今回は,同行者とskypeで連絡をとりあいながら,ほぼ同時にオンラインで予約をとった。

運賃は他社と比べてかなり安さを感じる。今のところ,燃料費加算(サーチャージ)は徴収していないことも影響している。また,空港利用料は別途徴収される(予約時に表示される)が,これが運賃表示金額には含まれないので,安さを感じさせることになる。もっとも,名古屋に住んでいる身としては,出発地が関空になり,国内の移動費用がかかることを考慮に入れると,他の格安航空で中部空港発着便があるならそちらとしっかり比較するべきだ。

格安航空では延着・出発遅れ,欠航が問題になる。こうした突発的な事態が発生した場合,従来の航空会社であれば乗り換えなどの代替手段を航空会社側が提案してくることがあるが,ピーチはそれはしないと公にうたっている。今回,前日に香港へ台風がかなり接近し,その日は欠航になっていたが,twitterや公式サイトで結構の案内が出ており,運賃を返金するとのことであった。

◯とにかく安い。

△突発的な事態に対し,自力で旅程を組み直して別の手段を(場合によっては外国語を使って)確保する力を持っていることが必要。

×関空発着は東海地方在住者には不便。

搭乗手続き編

関空側では自動チェックイン機があるが,なぜか案内人が立っている。搭乗手続きができる時間が短く,この日はほぼ満席になるほど利用者が多かったので,混乱を避けるために配置しているのだろう。荷物を預けるのでなければ自動機のほうがかかる時間が圧倒的に短い。持ち込む荷物の重量検査は,今回はなかった。ちなみに一番安いクラスは持ち込み荷物の重量10kgまで,座席指定などが出来るもう一つ上のクラスだと20kgまで。

香港国際空港では自動チェックイン機はなく,通常のカウンターで手続きをすることになる。特に他の航空会社の手続きと変わらない。こちらも持ち込む荷物の重量検査は今回はなかった。

ちなみに,ピーチの香港発は夜中の0:50,2号ターミナル内の店舗は21:00を過ぎるとほとんど閉まるとのことであったが,コンビニが1店舗営業していた。今回は,前日にあった反日デモのニュースが踊る新聞と夜食用の食料をこちらで購入。

◯自動チェックイン機の手続きは楽ちん。

×深夜発の2号ターミナルは,利用できる店舗が非常に少ない。

搭乗口編

公式サイトのデザインで一目瞭然,ピーチ航空の主なターゲットは明らかに若い女性だ。しかし,搭乗口前の待合室で観察していると,広東語や北京官話が聞こえてくる。どうやら現時点では,香港在住者などが中心に利用しているようだ。もちろん日本語を話す人も多く,若い人達の利用が目立った。

関空ではバス利用の搭乗口に集められ,南海バスに乗せられ,飛行機にまで運ばれた。混雑を避ける為,座席番号で2グループに分けて載せており,大きな混乱はなかった。

香港国際空港では,一旦2号ターミナル(第三世界の航空会社がよく利用しており,離発着便数も1号ターミナルに比べてかなり少ない)でチェックインしたが,今回はシャトルとバスでどうやら1号ターミナルの端に駐機中の機材に誘導された。とにかく移動距離が長かった。

◯運用,乗客の捌き方は合理的。

×香港国際空港での搭乗までの移動距離が長い。

機内編

全席エコノミー席で,機内全体の空間は,広々としているが,ただ,座席間の距離はかなり狭い。床に落としたものをひろおうとしても,隣に誰かがいると,かがめないレベルだ。また,通路側席以外の席に座ると,トイレに立つにも隣に座っている人に一旦立ってもらうことになる。3時間ぐらいだからあらかじめ用を足しておけば問題はないだろうが,それでもエコノミークラス症候群には配慮すべきで,足を時々動かすほうがよい。とはいっても,一昔のエコノミークラス程度で,かつて中国国内での移動で使った時に比べれば,まぁこちらのほうが少しはましだと思う。

座席は片側三列。英語が話せて席が指定できるなら,非常口前席がよいかもしれない。

食事や飲み物は有料。機内で販売しにくる。

機内はかなり乾燥しており,同行者は往路便で風邪を引いたとぼやいていた。少なくとも入出国手続き・安全検査を済ませたら,飲料,しかもフタがしっかりしまるものを1本購入して持ち込むべきだろう。

◯機内は清潔。全体としては広々としている。

×機内はかなり乾燥している。

×通路側以外の席は,隣席の人たちに立ってもらわないと通路に出られない。

香港市内へのアプローチ

出国時はいずれも深夜出発ではあるが,早めに到着していれば,空港内でいくらでも過ごす場所・方法がある(但し,香港出国時の開店店舗が少ないことについては前述のとおり)。一方,香港に到着した際の市内へのアクセスは,気をつけなければならない。ピーチ航空香港線は深夜に到着するのだが,一番便利な空港特急の終電に間に合わなければ,深夜バスかタクシーなどを利用することになる。一応,深夜でも香港市内をまわる深夜バスがあり(N線),料金も安い(香港島へゆくのに31HKD)し,オクトパスカード(香港域内で使える交通系電子マネーカード)も使える。但し,現金で払うと,金額丁度でなければお釣りはもらえない(ちなみにトラム・二階建電車でも同様)。香港島行の深夜バスは終夜運転だが,空港内をかなりぐるぐる周り,ネーザンロード沿いであちこちで止まり,かつ,香港島側では東から西まで停留所に止まる回数も多い。終点の上環のバスターミナルまでたどり着くには1時間以上かかる。かなり混んでいたので,立ちっぱなしで乗っていたが,体力がない人には辛いだろう。

×深夜着便は迎えを頼んでいないのであれば,深夜の市内へのアクセス方法をあらかじめ調べておく必要がある。

まとめ

実際に利用してみて,海外旅行慣れしている人,英語で交渉できる人であれば問題ないが,体力が衰えている人,自力で問題解決できない人には,格安航空はおすすめできないことがわかった。年内に少なくとももう一度,香港に行く予定だが,一人でいくならピーチ香港便の利用はまったく問題ないと考えている。ただ,次回は農林漁業者や同業者が一緒に行ってみたいと声を上げているので,同行するメンバーの様子を見ながら利用するかどうか決めることになろう。

NTTのSoftbankへの殴りこみ

NTTグループのひとつで固定電話の長距離部門を担当するNTTコミュニケーションズが,スマートフォン用のIP電話サービス「050plus」を発表した。現在はiPhone用のみだが,料金が安価で,iPhoneを日本で展開するSoftbankにNTTグループの一員がいわば殴りこみをかけたような格好だ。迎え撃つSoftbankや携帯他社,IP電話サービス会社,VoIPサービス会社の対応が注目される。

NTTコミュニケーションズ社が,iPhone 上で050IP 電話を利用することができるサービス「050 plus」の提供を開始すると発表した。これについてはIT関係各社の報道(日経BP ITPro, インプレス INTERNET Watch毎日コミュニケーションズ マイコミジャーナル)が報道している。

このサービスは,iPhone のデータ回線を使って安価に電話サービスを提供するもので,基本料金月額315円(別途ユニバーサル料金必要),,アプリのダウンロードは無料,通話料金はほぼ既存のIP電話サービス並み(例えば「050 plus」利用者間の通話や「OCN ドットフォン」など提携プロバイダーによるIP電話サービスへの発信は無料,国内一般加入電話宛の通話料は3分8.4円,国内携帯電話は1分16.8円。アメリカへの国際電話が9円/分など)である。ソフトバンクのiPhone向け通話サービスであるホワイトプランやwホワイトプランに比べて競争力抜群の価格設定で,しかも,アプリ内で料金比較までできるようになっている。

この発表のユーザーにとっての意義は,NTTグループという日本市場でのリーダー企業が取り組んでいるため,品質や提供時期の長期安定化が見込まれそうなことだ。同様のサービスは Skype や Vibre など各種あるが,いずれもベンチャー企業が出発点であり,海外事業者が提供していることもあって,番号が相手に表示されない,料金体系やサービスが頻繁に変わるなど,安定性や品質に疑問符をつけざるを得なかった。

また,日本市場へのインパクトという点では,いよいよ家庭用固定電話サービスや携帯電話サービス各社の高い通話サービス料金が終りを迎えるのではという感想を抱かさせる内容だということだ。IP電話サービス体系としての電話料金で,きちんとした品質の電話サービスを外出先でも使えるとしたら,わざわざ固定電話を保持したり,高い通常の携帯電話通話料を払う必要はない。これは,少なくとも日本では,既存携帯各社が通話サービスで儲ける時代の終焉が早まっていることを意味する。また,フューチャーフォン(ガラパゴス携帯,もっと分かりやすく言えば,スマートフォン以外の普通の携帯電話)の衰退を早めることにもなるだろう。

現時点では「050 plus」は iPhone 向けのアプリのみだが,近い将来,Android 向けも発表されるとのこと。元公社とは思えない,競争意識むきだしの取り組みに,同じく成果志向の強いソフトバンク,あるいは既存のビジネスモデルを崩されかけているNTT DoCoMo, AUなどはどう出てくるのだろうか。

海角7号を見てきた

知人と海角7号を見てきた。台湾で,好成績を収めたという映画だ。なんでも台湾映画としては,台湾での興行収入第一位とか。日本人も多数出演しており,日本と縁の深い地域でつくられた映画として,日本統治時代に関わるエピソードをからめたり,日本人や日本経済との関わりを入れ込むなど,なるほどなと思う。

映画の内容自体は,努力しても報われていなかった人たちが互いにぶつかり合う中で,理解しあい,最後に…というもので,ストーリーとしては王道の類だ。ところどころ笑えるよう,泣かせるよう,スパイス的な要素も取り入れられ,後半は飽きさせない。台湾のガチャガチャ感だとか,日本や日本人への複雑な思いとか,そんなところも映像やセリフのあちこちから伝わってきて,台湾や中国に興味を持っている人ならそんなところも楽しめるだろう。個人的には日本語,台湾語,中国語の三種類が聞けるということでも楽しい時間だった。

日本人の出演者たち,ことに中国語をしゃべり,台湾で働いているという主役級は,たくさんの中国語のセリフを使いこなすのに大変だったろう。そこそこ聞ける中国語になっていて,役柄でも完璧でない中国語を話すということになっていることもあり,それほど妙な感じはなかった。一方で,長い日本語のセリフをしゃべるときは棒読みかと思わせるような違和感があった。

なぜ,この映画が興行収入一位になったのかと興味をもってみてみたが,自分なりの結論は,努力しているのにあまり報われていない人たちの姿が,国際社会の中での台湾の姿に重なることもひとつの要因かなと思った。大陸の経済発展や,それに伴なう外交圧力などにより,台湾の国際社会での地位は相対的にかなり低下してきている。自分たちは民主化だとか経済建設でこんなに努力しているのに,それほど成功している人たち(国)とちがわないのにという思いと共通点があるように思う。

もっとも,一緒に見に行った留学生はそれは違うんじゃないかという意見のようで,主にエンターテイメントとしての面白さを挙げていた。この留学生はしょっちゅう映画を見ているので,生涯でまだ10本くらいしか見ていない自分の意見よりは的確なのかもとその場では思ったが,一位の座を得るほどの秘密が何にあると考えているかは,聞きそびれてしまった。

たまには映画もいいものです。次は「泣きながら生きて」かな。

[日誌]KG-PL105Sインプレッション(1)-小型LEDプロジェクタがやってきた

KG-PL105S - 包装の段ボール。本体は韓国製らしい。KG

加賀電子の小型LEDプロジェクタ,KG-PL105Sが我が家にやってきた。まずは外観や,同梱物などについての印象を。

大きさはメーカーのサイトなどで知ることができる。突起部分はゴム脚やフォーカスリングが多少あるくらいで,ほとんど立方体だ。電源部分がアダプター方式なので,本体はそれほど重いとは感じない。もっとも,アダプタをあわせた重さは結構あり,持ち歩くのを考えると,多少大きさが大きくなってもいいから,電源部分を一体化して欲しいと思う。

キャンペーン中だったこともあり,スクリーンとバッグをつけてもらったが,製品にはソフトケースが同梱されている。ウレタンの袋が2つついていて,どうつかうのかとまどったが,タグが「TAXAN」と「Accessories」になっていて,どうやら大きい方に電源アダプタやコード類を収納するようだ。

今のところ,一番気になっているのがレンズ部分にカバーがないことである。レンズがむき出しになっており,本体の面からやや引っ込んではいるものの,持ち歩いている最中に傷つけはしないかとかなり心配である。

動作音はそこそこ静かだが,LEDランプだからといってファン無しでは済まされないようだ。筐体が小型なこともあり,ファンがどうしても小型になって回転数を挙げざるを得ないのか,風切り音がする。もっとも,試してみた自室での使用では,画像に集中すれば気にならないし,ラジオが鳴っていたり,室外の風にそよぐ枝の音などがかき消してしまう程度の音量だ。

外観はシンプルで,本体に搭載されているボタンの照明も,設定によって消すことが可能。注意書きなどは日本語の他に,中国語(簡体字)や英語などが表示されている。本体のメニューでは表示言語に日本語,英語,簡体字,フランス語,スペイン語が選択できる。マニュアルは日本語と英語での表記があった。

次回は出先での事業者との面談に使うことを主な目的に,LEDプロジェクタの実力を試してみたい。

[日記]おくりびとを観てきた

昨日は知人と映画を観に三好まで出かけてきた。おめあてはアカデミー賞外国語映画賞受賞のおくりびと。たまたま1000円デーだったようで,朝一番に間に合うように行ったのだが,結局は昼一番の上映を観ることになった。

映画を観た直後の感想は,奥さん,できすぎ。

広末涼子演じる妻の姿は,黙って耐えて夫についていくという古い日本女性の考え方,行動を具現化したもの。自分だったらああいった人生の困難に当たったら,夫婦としてもっといろいろ互いにきちんと話しをながら物事を一緒に決めていきたいし,パートナーとして自分なりの意見を言ってもらい,こちらの考えも聞いてもらいたい。すべてを,何も聞かないで受け入れるというのは,どうも違和感を感じた。

もうひとつ。白鳥の映像がたびたび使われるのだが,これもあまりに,何かを象徴していますよという場面としての使われ方で,少年少女向けの漫画やテレビ番組を見ているような感覚を覚えた。

もっとも,納棺の所作は美しいし,東北の自然や葬儀の様子もものめずらしく,自分なりに楽しんできた。同行の知人は,友人が感動したというので期待していたが,それほどではなかったとのこと。聞いてみると,友人というのは来日二年目の人とのことで,外国人受けするだろうなぁという感想も,それほど的外れではないみたい。

この知人とは,6月に京劇,覇王別姫を一緒に見に行く。どんな意見交換ができるか,今から楽しみである。

[IT]クラウドの世界

先日よりDropBoxというサービスを使い始めた。複数のコンピュータ間でファイルの同期をネットワーク経由でとってくれるサービスで,Mac OS XやWindows, Linuxの間で一貫性を保ってくれる,大変便利なものだ。年間1万円くらいの費用はかかるが,それくらいの価値はあると思う。

Macをずっと使ってきたので,Apple社が提供している同じようなサービスの MobileMe を本来ならば使いたい所だが,今の所,DropBoxのほうが,使いやすい。DropBoxのほうが,リアルタイム性が高く,一つのパソコンでのファイルの変更が早く他のパソコンに反映される。

MobileMeのいいところはファイルだけでなく,コンタクトリスト(連絡先)データや予定データを共有できる所だが,異なるOSの間で同期をとっていると,整合性がとれない場合も出てくるようだ。この点,連絡先の利用はMac または iPhone のみ,予定データはGoogleカレンダーを中心にMacやWindowsに展開という対応の方が齟齬がすくなさそうなので,そうしている。

ITクラウドなんて,自分には縁のない世界だと思っていたが,データをネットワークの向こう側においておくという点では,すっかりはまっている。セキュリティの確保という点でまだ甘いという問題はあるが,いずれ解決されていくのだろう。