201205香港出張

2012年5月19日から22日,日本食品・農林水産物の輸出の可能性を探るため,6次産業化プランナー,中小企業診断士の仲間と香港に出張してきました。

現地では,流通関係者や政府関係者との面談・ディスカッション,事前調査情報の共有のためのミニセミナー,現地小売市場(高級スーパー,一般スーパー,日系ショッピングセンター,いわゆる伝統的な街路の市場など),和食レストランの視察,タウンウォッチングなどもりだくさんのプログラムでした。

今回の出張でわかったことは,1)香港市場の魅力の本質,2)正面攻勢での香港市場攻略の難しさ,そして3)こうすれば開拓できるのではないかという可能性,の3つです。

1)香港市場の魅力の本質

香港は人口約700万人の都市国家といっていいくらいの地区ですが,年間3,000万人以上の外国人観光客がやってきます。気持ちは概ね親日的。特に若い世代は日本への強いあこがれを持つ人も結構います。また,香港での流行が,観光客を通じて,広く世界各国に情報として流れていきます。英語を話せる人が多く,日本の事業者が商談しやすいことも魅力です。香港政庁が,食品流通のハブとなることを目指しており,つい先日,貿易発展局総裁と農林水産大臣が日本の農林水産物・食品の香港への輸出促進協力についての覚書を交わしました。更に,香港は台湾とならび,中国投資の窓口役を担って来ました。これは,香港市場を通じた中国市場へのアクセスのしやすさ,リスク回避のしやすさをも意味しています。

2)正面攻勢での香港市場攻略の難しさ

魅力あふれる香港市場ですが,日系大手小売業者がかなり以前(魚野が1988年に香港に行ったときは既に日系の百貨店がありました)から進出し,日本食品を扱う強力な卸売会社もあります。有力な日本メーカーの商品は,日系のお店や高級店には結構ならんでおり,すでに子会社や現地卸売市場を通じてそうした現時点での有力チャネルの小売店店頭がかなり抑えられているものと考えられます。特に,日本酒については,現地でかなり豊富な種類の銘柄,サイズを見かけました。新たに開拓するとしたら,よほど商品や売り方に特徴がないと,なかなか厳しいのではとおもいます。

3)こうすれば開拓できるのではないかという可能性

一方で,現地に行って様々な売り場を実際に見たり,取り扱い事業者,政府関係者とディスカッションを重ねてわかったことは,まだまだ大きな可能性を香港市場は持っているということです。これについては,今回行った仲間と一緒に,今,作戦を練っています。これから香港市場を開拓しようとする愛知・三重の二県の事業者さんやその商品の特性を生かし,今までにないやり方で香港市場の開拓ができそうだと,いまからワクワクしています。